更迭候補30人超!? 岸田政権を崩壊へ導く史上最大の“辞任ドミノ”の可能性
旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との深い接点が次々と明らかになっていた〝水際〟いや、山際大志郎経済再生相が辞任(10月24日)に追い込まれた。岸田政権では新たに〝ドミノ辞任候補5人衆〟の名前も取り沙汰されており、「さらに、辞任が続けば岸田首相の責任問題に発展する」(政界事情通)瀬戸際だ。水面下では『ポスト岸田』への動きも活発化していた。
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まずは、〝山際更迭〟までの一連の経緯を全国紙政治部記者が解説する。
「旧統一教会と深い関係にある人物を閣内から追い出す8月の岸田改造内閣で、山際氏は何食わぬ顔で再任された。再任後、すぐに教団との新接点が次々に発覚し『ズル山! 後出しジャンケン』と大きな批判を浴びたが、山際氏はカエルの面にションベンとばかりに『記憶にない』、『記録に残っていない』を連発。岸田首相も何とか乗り切れると、国民をなめていた感は否めない」
更迭の決定打は、10月に入り山際氏と教団トップの韓鶴子総裁が一緒に写った写真が報道やネットで暴かれたこと。自民党議員間からも「山際とナイツの塙宣之の顔がテレビに映るたび、内閣支持率が0.1%ずつ下がる」と冗談を交えつつ、危機感を募らせていた。
事実、時事通信の10月の世論調査では岸田内閣の支持率は30%割れの27.4%。これは前政権の菅義偉内閣で最低の29.0%を下回る低支持率だった。
「岸田首相はこれ以上、山際氏を庇うと自らジ・エンドになると悟り、山際氏の後ろ盾である麻生太郎副総裁と甘利明前幹事長に泣きつき〝山際切り〟の了承を得て更迭に踏み切った。しかし、『国会で説明責任を果たせない閣僚は引責辞任』との前例を作ってしまったのはまずかった。この前例で岸田政権内では、俄に辞任ドミノの可能性が高まってしまったからだ」(自民党幹部)
次々と出てくる関与疑惑
では、冒頭で触れたドミノ辞任候補5人衆とは誰か。「細田博之衆院議長、寺田稔総務相、秋葉賢也復興相、大串正樹デジタル副大臣、萩生田光一政調会長です」(前出・政治部記者)
安倍派前会長の細田議長は教会の韓鶴子総裁が出席する会合で祝辞を述べ、「会の内容を安倍総理にさっそく報告したい」などとスピーチする動画が確認され、野党が問題視している。細田氏はこれまでに教団関連の会合出席8件と祝電3件を認めているうえ、選挙の際に教団票の分配に関与した疑惑もささやかれている。
寺田総務相は、2019年と2020年の政治資金収支報告書に死亡していた会計責任者名をそのまま記載し提出していた、と週刊文春に報じられた。立憲民主党の長妻昭政調会長は「政治資金を所管する最高責任者。職を辞すことがケジメ」と辞職を迫っている。
秋葉復興相は、自身の2つの政治団体が秋葉氏の妻や母親に地元事務所賃料として約1400万円を支払っていたことが発覚。野党は「ファミリービジネス内閣」と批判を強めている。
大串デジタル副大臣は、昨年の衆院選の際、旧統一教会関連団体の「推薦確認書」に署名していた。
「残る1人、萩生田政調会長は旧統一教会の友好団体『世界平和女性連合』との接点を認めている。ほか、7月の参院選公示前、東京選挙区から立候補して当選した生稲晃子参院議員を連れて教団関連施設を訪れていた。選挙協力への挨拶回りが濃厚です」(同)
“ポスト岸田”に河野氏が…
9月8日の段階で自民党は所属する国会議員と旧統一教会の接点に関する調査結果を発表した。衆参全379議員のうち、接点があった議員は179人。一定の関係があったとして氏名を公表したのは121人にも及んだ。9月30日には接点に対して木原誠二官房副長官ら12人の追加報告があったことを明かしている。「自民党の疑惑国会議員はゴロゴロいるし、寺田総務相らのように教団関連以外の不手際もある。最終的には岸田政権内で30人以上がドミノ式に辞任に追い込まれるのではという見方もあるほど。5人衆で1人でも引責辞任すれば、岸田政権は立ち行かなくなるでしょう」(夕刊紙記者)
『ポスト岸田』を優位に進める動きも散見され始めた。
「河野太郎消費者担当相が旧統一教会騒動を利用し、ポスト岸田を手繰り寄せる戦法に出た。河野氏が消費者庁内に旧統一教会問題をめぐり立ち上げた検討会(霊感商法等の悪質商法への対策検討会)での質問権の扱いだ。検討会報告書では『旧統一教会に問題があれば質問権を行使すべき』とし、世論から拍手喝采を浴びている。当初、岸田首相は質問権発動への動きに慎重だったが、前向きに検討せざるを得なくなった」(自民党ベテラン国会議員)
質問権とは、宗教法人に法令違反が疑われる場合、行政が調査できる権利。重大な法令違反が確認されれば裁判所に解散命令を請求する。解散命令が確定すると、税制優遇措置を受けられる宗教法人格剥奪となる。
「岸田首相が途中で解散請求に逃げ腰になれば、河野氏は辞職し岸田批判が一気に強まる。一方、解散命令に至っても手柄は河野氏。つまり、どちらに転んでも河野氏優位の流れ」(同)
前門の教団、後門の河野。
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