『犯罪都市 THE ROUNDUP』
監督/イ・サンヨン
出演/マ・ドンソク、ソン・ソック、チェ・グィファ、パク・ジファン、ホ・ドンウォン、ハジュン、チョン・ジェグァン
配給/HIAN
秋になると、年末に向けた大作も気になり始めますが、小粒だけどおいしいミニシアターもたくさんあります。今回は、その中でもとっておきの韓国映画をご紹介したいと思います。
「最強VS最狂!」。韓国の警察ものが好きな人にとって、この文句は良い響きですよね。私も暗くてウェットな韓国作品が好き。これまで日本でも何本もの映画がヒットしていますが、今回の作品は、そんなダークさもありながら…笑えます。
バイオレンスでも凸凹コンビがお笑いのスパイスを振りかけてくれる本作は、滑稽なボケと、時には喧嘩もコミカル。そして、なんといってもマ・ドンソク演じる刑事マ・ソクトの存在感が半端じゃない。身体も態度もデカければ、カラダの芯がブレないから、とにかく強い。いや、ホント、笑っちゃうくらい強い!
でも、それに対抗する、ソン・ソック演ずる超悪のカン・ヘサンの存在感も負けず劣らず。ハリウッドで振り付けされたダンスのようなアクションシーンとは一味違う、本気の喧嘩っぽさを演出する掴み合いが好き。さらに、スクリーンからニオイが漂ってきそうなウェット感もたまらない。
期待は裏切らない韓国版ハードボイルド
本作のキャッチコピーといえば、「スカッと爽快!規格外のヤバい刑事が拳一つで犯罪都市をぶっ叩く!」。この言葉だけでもワクワクさせるけど、ただ単に暴れまくる刑事…ではなく、一生懸命になって犯人を捕まえたいからこそ、ちょっぴり行動がオーバーになってしまう人情味がイイ! 韓国では、観客動員1200万人を突破し、132カ国で公開が決定しました。それだけヤバい作品が、ついに日本上陸したわけですから、期待は裏切らないはず!
で、肝心の物語ですが、韓国・クムチョン署の強行犯係に、犯罪者の引き渡しのためベトナム行きの任務が命じられる。向かったのはマ・ソクト刑事とチョン・イルマン班長。この2人、屈強な男と、ちょっと頼りない班長だからこそ面白い。
ベトナムで、冷酷な凶悪犯罪者・カン・ヘサンの存在を知ったマ・ソクト刑事は、正義感の強さから現地警察に止められながらも、それを振り切って捜査を始めるが、そこには想像を超える出来事が…。
仕事帰りに1人で楽しむのも良いし、ハードボイルド過ぎないため異性と一緒に見に行ってもいいかも。とても分かりやすくて、カッコ良くて、コミカルでスカッとする1本。一気に寒くなった今、映画館がアナタのお越しを待ってますよ。
LiLiCo
映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。
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