社会

北朝鮮・金正恩「核先制攻撃」におわせる…“第二次朝鮮戦争”が現実味!?

Moab Republic
(画像)Moab Republic/Shutterstock

北朝鮮は2022年9月8日に開いた最高人民会議で、新たに核兵器を使用する条件や目的などを定めた法令(核使用法令)を採択し、金正恩総書記は「わが国の核保有国としての地位は、不可逆的なものになった」と強調した。

北朝鮮はこれまで、核兵器をあくまでも反撃手段として位置づけていたが、今回の法令では「相手からの攻撃が差し迫ったと判断される場合」にも、核兵器を使用するとしている。

「つまり、核兵器を〝先制攻撃〟に使用する条件を定めたということです。北朝鮮は、同法令により戦術核の使用を現実化したわけで、第二次朝鮮戦争の開戦も絵空事ではなくなりました」(国際ジャーナリスト)

北朝鮮の外交政策は、もはや「マッドマン・セオリー(狂人理論)」の領域だ。

「北朝鮮の目的は、アメリカに『本気で核攻撃を考えている』と思わせることにあります。韓国の軍事専門家は、北朝鮮の核戦略を『コスムドチ(ハリネズミ)戦略』と呼んでいますが、北朝鮮は金正恩体制を死守するため、米韓への脅しとして同戦略で攪乱しているのでしょう」(同)

北朝鮮はレッドラインを越えた

ロシアのプーチン大統領も、なりふり構わず欧米諸国を脅しているが、北朝鮮はロシアよりも恐い。

「ロシアの場合、部分的動員令に反対するデモが起きたように、地方議会などではウクライナ侵略に反対する動きも出ています。こうした反戦論は、プーチン氏が追い詰められた際、ヤケクソになって核使用に走らないよう〝安全装置〟的に作用すると言えますが、北朝鮮では核使用に反対するデモはおろか、これを疑問視する声さえも聞こえてきません。そこが独裁国家の恐ろしいところなのです」(北朝鮮ウオッチャー)

北朝鮮は核使用法令の制定により、レッドラインを越えたと米韓は判断している。そのため、韓国では在韓米軍がかつての戦術核を保有していた時代に戻るという「核保有論」が浮上しており、アメリカとも協議を重ねているという。

ついに朝鮮半島は、一触即発の〝火薬庫〟と化してしまうのか。

あわせて読みたい