女子卓球界に異変アリだ。
10月11日、世界選手権で銀メダルを獲得した女子代表チームが帰国し、その報告会見を開いた。会見の主役となったのは、東京五輪で3つのメダルを獲得した伊藤美誠ではなく、早田ひな。〝早田時代〟の到来となりそうだ。
「早田に質問が集中した理由はいくつかあります。日本は大会序盤に早田を温存し、準々決勝からの3試合は早田に要所を託す作戦でした。その早田中心の団体戦のこと、そして決勝戦を欠場したことなど…」(スポーツ協会担当記者)
欠場の理由は「左腕の上腕三頭筋を痛めたため」と説明された。日本女子の銀メダル獲得は4大会連続。「強い日本」を印象づける好成績とはいえ、聞こえてきたのは「早田が万全だったら、中国に勝って金メダルもあった」の声だ。
「今の日本のエースは伊藤ではなく、早田です」(同)
実力認められた堅実プレーの早田
世界ランキングを見ると、9月末時点で早田は国内トップの5位、伊藤は6位。国際大会での知名度、実績はまだ伊藤の方が高いが、早田を評価する声は各所で聞かれた。
「成績がいきなり飛躍したわけではありません。安定感と堅実さが特に評価されています」(専門誌記者)
早田は国内のTリーグにも参戦し、コツコツとランキングを積み上げてきた。団体銀メダルに終わった今回も中国からは警戒されていた。
こんな長所もある。早田はダブルスで誰とでも組めるのだ。伊藤は東京五輪・混合種目で金メダルを獲得した際、パートナーの水谷隼とのハグを拒んだように気難しい一面もある。
しかし、早田はその伊藤とも女子ダブルスで息の合ったところを見せており、「今大会で伊藤が輝いていたのは早田と組んだとき」との声も聞かれた。
パートナーを生かしつつ、引き立てる――。
早田の堅実なプレーは、日本人好みとも言える。爆発力はないが、努力が開花したとなれば卓球にあまり興味のない人たちも応援したくなるはずだ。名実ともにエース交代となりそうだ。
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