「昨年8月19日に党中央委員会総会が開かれた当時、北朝鮮当局は21年1月20日に2期目のトランプ政権が発足すると読んでいました。そのため、同時期に党大会を開いて米朝関係を仕切り直し、経済制裁解除への交渉を開始しようと意図していたのです」(国際ジャーナリスト)
ところが、予想は大外れ。大統領選挙中に「トランプ氏は北朝鮮にへりくだり何事も成し遂げなかった」と発言し、正恩氏を「悪党」と非難したバイデン氏が勝利してしまった。
「今後、バイデン氏がオバマ政権で失敗した戦略的忍耐(北朝鮮無視=経済制裁未解除)を再度行うのか、それともトランプ氏でさえ自重した北朝鮮への攻撃を選択するのか、正恩氏はその出方を読めないでいるというのが現状です」(同・ジャーナリスト)
また同大会では、執行部(39人)に金委員長の妹、金与正党第1副部長が加わった。
「与正氏の現所属および職責は、党第1副部長のほか、党政治局候補委員、党中央委員会委員などがあります。現在の彼女は〝女帝〟と呼ばれるように、所属や職責を超えた強力な権限を持っていますが、このままだと対米韓業務には肩書不足でしたからね」(同)
米韓軍に亀裂が生じている今が“南侵”のチャンス!?
北朝鮮の動向について韓国の峨山政策研究院は、昨年末に発表した報告書で次のように指摘している。
《北朝鮮は、バイデン政権が発足する1月と米韓連合軍事訓練が実施される3月の間に、「北侵」への対応を口実としてSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の試験発射を行い、緊張感をつくりだすだろう。その後、米韓両国の出方によっては、ICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射する可能性がある》
一方、航空機追跡サイトの「フライトレーダー24」は、昨年12月22日に正恩氏を乗せた専用機が、東海岸に向かったと報じた。日本海に面した咸鏡南道の新浦港では、3000トン級の新型SLBM搭載潜水艦を建造中である。
「潜水艦が完成していれば、バイデン政権の発足に合わせて進水式を行うかもしれません」(軍事ライター)
気になるのは、昨年の軍事パレードでお披露目された兵器類だ。かつて〝博物館行きのポンコツ〟と揶揄されたロシアや中国のお下がりではなく、戦車や自走砲などの陸戦兵器が急速に近代化されていた。
「金正日総書記の時代には『韓国を攻撃すれば米韓軍から何倍もやり返される』というほど、軍事力に格差がありました。しかし、現在の在韓米軍は親北の文在寅政権に対して、『後ろから撃たれるかもしれない』と危惧している。米韓軍に亀裂が生じている今こそ、北朝鮮にとっては南侵への絶好のチャンスと言えます。しかも、北朝鮮の陸戦兵器は米軍や韓国軍のコピーゆえに、戦闘では米韓軍に混乱をもたらせることになる。窮鼠猫を噛むかもしれません」(同・ライター)
現在の北朝鮮に失うものは何もない。その事実こそが、極東アジアの平和を阻む最大の障壁だ。
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