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腰痛は遺伝する?(監修/井尻慎一郎先生)~『痛みの悩み相談室』

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人間の約85%が生涯に患うといわれる腰痛。平成28年度の国民生活基礎調査でも、腰痛の有訴者率(人口1000人当たりの割合)は男性が1位、女性は肩こりに次いで2位に入っており、もはや国民病と言っても過言ではありません。腰痛を長い人生で1回も経験しない人は珍しいと思います。

腰痛の1つの原因である腰椎椎間板ヘルニアには最近の研究で遺伝的要素があることが分かってきました。とはいえ、腰椎椎間板ヘルニアは生活習慣や仕事、姿勢、体重などの要素がかなり大きく、そのため「遺伝病」とは言えません。親の顔に子どもの顔が似ているように、親に腰椎椎間板ヘルニアがあれば、子どもも似たような椎間板ヘルニアになることもありますが、そうでない場合も多々あるので心配はしないことです。

慢性の腰痛には安静よりも体操などが大切

腰痛の対処法として、坐骨神経痛には薬が有効ですが、慢性の腰痛には安静よりもストレッチなどの体操が一番大切であることが分かっています。腰を前後左右に動かす体操をしてください。私も54歳の時に腰の手術を受けましたが、患者さんと一緒に1日10回以上体操をしているので問題なく日常生活を送っています。

遺伝子の研究は日々着実に進んでおり、今まで分からなかった多くの病気に遺伝子が関連していることが判明しています。しかし、遺伝の要素があるからといって必ずしも発症するわけではないので、過剰に恐れずに日々をすごしましょう。

監修/井尻慎一郎先生
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPは下記。
https://ijiri.jp

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