(画像)Kues / shutterstock
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今冬は新型コロナとインフルエンザ同時流行に警戒!ワクチン早期接種を推奨

コロナとインフルエンザが同時流行する――。10月5日、厚生労働省に新型コロナウイルス対策を助言する専門家組織『アドバイザリーボード』が、そんな見解を示した。


「日本国内では過去2年間、インフルエンザの流行がありません。それによる抗体保有率の低下や、海外からの人の往来が頻繁になることによって、インフルエンザやコロナに罹患する人が増える。そのため同時流行する確率が高まるのです」(厚労省担当記者)


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同時流行の可能性は極めて高く、10月から来年3月の半年間に起こり得るというのだ。


アドバイザリーボードは「ワクチン接種を進め、新型コロナとインフルエンザの診療に対応できる医療提供体制の整備が必要」と指摘している。

発熱した場合は新型コロナ検査から

公衆衛生が専門の医師で作家の外岡立人氏が言う。

「これまで南半球、アメリカ南部、中国で同時流行の事実がありました。同時流行の可能性は今の時点では正直、分かりません。この2年、インフルエンザが流行していないので、国民の抗体は下がっているでしょうし、不安な要素はあります。いずれにせよ、11月に入ってからですよ」


同組織の脇田隆字座長は、同時流行時の患者の受診行動について「発熱した場合に、どのように対応するのかを分かりやすく示すことが重要だ」と述べ、まず新型コロナについて検査し、陰性だった場合は季節性インフルエンンザの検査をしなくても、医師がインフルと診断できるなどの対応策を検討しているという。


全国的に新型コロナ感染状況は減少か横ばい傾向にある。とはいえ、感染拡大第8波についても、対策を練っておく必要がある。


「米国で新たな変異株の『BA・4.7』が少しずつではあるが、広がりを見せています。もちろん、効果のあるワクチンはない。もし『BA・5』に代わって主流株となり、そこへインフルエンザが流行したら、世界中が大変なことになるでしょう。パニックになるかもしれない」(外岡氏)


同時流行は、11月がターニングポイントになる。