エンタメ

日本全国☆釣り行脚~『ヒラメ』~茨城県神栖市/鹿島港沖産

ヒラメ釣り
ヒラメ釣り (C)週刊実話Web

明けましておめでとうございます。本年も何とぞよろしくお願いいたします。

さて、新年一発目は船で沖へ出て釣りをします。というのも、河原の岩の隙間やら、街中を流れるドブ川やらでチマチマと小物と戯れるワタクシの所業を見た釣り仲間から、こんなお誘いがありました。

「たまには船で沖に出て、マトモな釣りをしなよ。道具は貸してあげるからさ!」

聞けばその友人の友人が、釣り方なども含めて案内してくれるとのこと。

「友達の友達はみな友達だ。世界に広げよう、友達の輪っ!」

まさに、持つべきものは友達ってことです。ありがたや~。

そんな成り行きで、茨城県は鹿島港にやってまいりました。狙いは〝寒ビラメ〟です。千葉県の大原から小名浜にかけての海岸線は、冬場に旬を迎えるヒラメ釣りが特に盛んで、中でも鹿島港はその中心的な存在なのであります。

港から沖を目指して出て行くワクワク感

当日はまだ夜が明けぬ4時すぎに港に到着したのですが、出船まで1時間以上あるにもかかわらず港内は車でいっぱい。多くの釣り人が慌ただしく行き来し、熱気に満ちた光景にあらためて釣り人気を実感します。普段は人気のないドブ川通いの身なものですから…。

仲間2人と合流して船頭さんに挨拶を済ませ、船に乗り込むと船内はほぼ満員。出船まで少々時間があったため、仲間から釣り方のレクチャーを受けつつ準備を進めます。やがて船長からの合図が出ていざ出船。周囲の工場夜景を眺めながら沖を目指します。港から沖を目指して出て行くこのワクワク感は、船釣りらしくていいものです。

「どのくらい沖まで走るんだろう…」

そんなことを思っていると、不意に船が減速して船頭さんから開始の合図が出ました。まずは近場からスタートです。

船宿が用意してくれた生きたイワシをハリに掛け、仕掛けを底まで落とします。ヒラメはイワシやアジなどを襲う獰猛な魚ですから、船頭さんは魚群探知機を頼りに、イワシの群れの反応と海底の地形を見ながらポイントを決めていきます。捕食者に囲まれたイワシの群れは「ベイトボール」と呼ばれる超密集態形となる傾向があり、これを見つけることでヒラメなどの捕食者の存在を捕捉できるということなんです。

「ガツガツッ!」

海底まで仕掛けを落としてしばし、やおら激しく竿先が海面を叩くように暴れました。

「もう来たか!?」

胸の高鳴りを感じながら続信を待ったものの後続はなく、引き上げた仕掛けにはボロボロになったイワシの残骸が…。悔しいですが、開始早々の反応は魚影が濃い証拠でもあります。

それを裏付けるように、この釣りに精通した〝友達の友達〟は早々に1.5キロ級の食べ頃サイズをキャッチ。イワシ玉を追ってこまめな移動を繰り返すなかで、その後も順調に同サイズを取り込んでいきます。

ヒラメ釣り
ヒラメ釣り (C)週刊実話Web

「やっと来たよ!」

隣を見やると、ワタクシと同様に沈黙を続けていた釣友がヤリトリを開始し、やがてユラ~ッと茶色い魚影が見えてきました。

締めて握って悶絶の晩酌♪

「おいおい、オレだけ蚊帳の外かよ…」

そんな心持ちで取り込みの様子を眺めると、ハリに掛かっていたのは別種のヒラメ、ガンゾウビラメでした。本命を確信していたのか釣り上げた本人はひどく落胆しておりましたが、ワタクシからすればそれすらうらやましい…。

ヒラメ釣り
ヒラメ釣り (C)週刊実話Web

さて、ここからは後日談。寒ビラメを使った豪華な晩餐の様子をリポートします。このヒラメをどうやって手に入れたのかは、次号をお楽しみに!

旬のヒラメを思う存分堪能すべく、刺身に昆布締め、握り寿司まで腕を振るってみました。もちろん、酒には燗をつけて♪

刺身はヒラメらしい淡白さの中に脂乗りが感じられて、極めて上品なお味。その身に昆布の旨味と、ほのかな酸味が加わった昆布締めも、これまた絶品です。熱燗が進むことといったらもう…。

ヒラメの刺身
ヒラメの刺身 (C)週刊実話Web

締めには、両方に酢飯を合わせて握り寿司を作って食べ比べ。嗚呼、幸せや~。

ヒラメ寿司
ヒラメ寿司 (C)週刊実話Web

正月早々から実に贅沢な晩酌を楽しませていただきました~。

三橋雅彦(みつはしまさひこ)
子供のころから釣り好きで〝釣り一筋〟の青春時代を過ごす。当然のごとく魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

あわせて読みたい