宮城県のTBS系列局「東北放送」で、半年間にアナウンサーが6人も退社する異常事態が発生している。
「宮城のような人口が多い県でも、地方局では所属しているアナウンサーの人数が少ないんです。10人以下の局も多く、半年間で6人も退社されたら回せなくなる」(他の地方局関係者)
この状況を報じた『週刊文春』によると、アナウンサー退社の主な原因は〝多忙〟だという。
「地方局では、アナウンサーでも取材から原稿執筆、ナレーション録りに編集までやらされるケースもある。大げさではなく、キー局のアナウンサーの倍以上の仕事をしなければならない。慢性的な人手不足で、中には他局で記者をしていた女性を強引にアナウンサーとして採用した局もあるほどです」(同・関係者)
アナウンサーでも年収400万以下
しかも、コロナ禍による広告収入の減少で、キー局ですらあえいでいる状況だ。地方局の経営は、どこも火の車。〝薄給〟も退社の原因の一つではないかと噂されている。
「特に東北地方は経営が厳しい局が多く、アナウンサーや社員も信じられないくらいの低賃金で働いています。フジテレビ系の某局では、アナウンサーなのに残業代も強引に減らされ、ボーナスもカット。年収が400万円にも満たない人もいると聞きます。キー局のアナと比べると、年代によっては倍近い差がついていますよ」(同・関係者)
テレビ離れが進む中、事態は悪化するばかりだという。
「地方部は高齢化が進んでいるのに、キー局は若者向けのコア視聴率を取る番組作りにまい進している。予算も少なく、自社で番組がほとんど制作できない地方局の中には、キー局が制作した番組を8割近く垂れ流している局もあります。そうなれば、視聴者はどんどん離れますし、収益は悪化し続ける。すでに、東北地方では数社が倒産の危機に瀕していると噂されています」(同・関係者)
同じ東北の山形県では、フジテレビ系列の「さくらんぼテレビ」でパワハラ問題が浮上するなど、テレビ局と名乗ってはいるものの〝ブラック企業化〟している実態もある。
東北だけでなく、全国の地方局が似たような状況にあるとされるだけに、今後もアナウンサーや社員の退社が各局で相次ぐかもしれない。
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