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JRA重賞『シンザン記念』(GⅢ)本誌競馬班厳選5頭!

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過去10年だけでも、勝ち馬からはジェンティルドンナ(12年)、ミッキーアイル(14年)、アーモンドアイ(18年)と三冠牝馬を含む3頭のGⅠ馬が誕生し、他にもオルフェーヴル(11年2着)やモーリス(14年5着)らが、後に大きな飛躍を遂げた出世レース。ただ、今年は京都が改装のため中京に舞台を移して行われる。そこは適性等をよく吟味して臨みたい。

★ダディーズビビッド
新馬勝ちは阪神だったが、中京芝1600メートルでは2戦目の野路菊Sで2着、前走のこうやまき賞で1着と、コース適性の高さを示しているダディーズビビッド。そのこうやまき賞は、好位から抜け出して後続に1馬身4分の1差をつける完勝。序盤こそやや力みも見られたが、これは少頭数でペースが上がらなかったことも要因。途中からは折り合いも付き、直線では追い出しを待つ余裕もあった。1分34秒1という勝ち時計も、流れが緩めだったことを考えれば悪くない。三度コンビを組み①②①着の武豊騎手が、前走に続いて騎乗予定なのもプラス。3代母は、ヒシアマゾンらを出したケイティーズという筋の通った母系。まだまだ伸びしろはありそう。

★ククナ
8月の札幌デビューで、芝1500メートルを②①着と勝ち上がった後、アルテミスSでも2着に好走しているククナ。勝ったソダシには1馬身4分の3差をつけられたが、スローペースの中、好位から早めに抜け出したソダシに対して、ククナは馬群の後方で揉まれながらも、メンバー中最速の33秒4で追い込んだ。内容は見劣りしない。母のクルミナルは、桜花賞2着、オークス3着とクラシックでも健闘した馬。今回も左回りのマイル戦で、引き続きルメール騎手が騎乗予定なら、前走の雪辱を果たす可能性も十分だ。

★カスティーリャ
今回と同じ中京芝1600メートルでは、2走前の未勝利戦で2着に好走していたカスティーリャ。この時の勝ち馬はレッドベルオーブで、レコードタイムをマークしていたが、本馬も1分33秒7で走破している。勝ち上がりに4戦を要したものの、4着以下は一度もなし。重賞でも超大物は不在のメンバーだけに、堅実さは武器となりそう。

過去10年の1番人気馬は【3・0・1・6】と苦戦傾向

★レゾンドゥスリール
新馬勝ち直後の出走となるレゾンドゥスリール。その前走は、スタート後に一旦中団まで下がりながら、途中から追い上げていくような出入りの激しい競馬となったが、最後はしっかり脚を使って勝ちきった。スローペースのため、勝ちタイムは1分35秒5と平凡だったが、上がりは33秒4と瞬発力はなかなか。過去10年、1番人気で新馬を勝ってここに臨んだ馬は【1・1・1・3】と半数が馬券絡み。一気の相手強化で、キャリアの浅さは障害にならないのがこのレースだ。母のローブティサージュは、新馬勝ち直後のファンタジーSで2着のあと阪神JFを制したように、早くから活躍した馬。その血が覚醒すれば。

★バスラットレオン
前走の朝日杯フューチュリティSは先団で流れに乗り、直線もしぶとく粘って4着に健闘したバスラットレオン。レコード勝ちだったグレナディアガースからは0秒5差、3着のレッドベルオーブとは半馬身差だった。3走前の札幌2歳Sでも、レコードを計時したソダシから0秒3差に食い下がっており、スピードは世代上位のものがある。2走前の京都2歳Sは6着も、休み明けで20キロ増と仕上がりがひと息だった。ここまでのレースぶりから、このメンバーでマイル戦なら勝ち負けになる。

過去10年、1番人気馬は【3・0・1・6】と、やや苦戦傾向。3連単配当も10万円台が3回、20万円台が2回、60万円台が1回と荒れ気味で、平穏と言えるのは1→2→5番人気で決まった14年(勝ち馬はミッキーアイルで3連単は22倍)だけ。波乱の覚悟はしておくべきだろう。

なお、西高東低が常となっている昨今の中央競馬だが、このシンザン記念も、(関西エリアのレースでもあり)3着までの30頭中27頭が関西馬。ただ、複勝率で見ると関西馬が21.1%に対して、関東馬は30.0%と、関東馬優勢となっている。冒頭でも触れたように今年は京都ではなく中京での開催。これまで以上に関東勢に追い風が吹く可能性はあるかもしれない。

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