
輪島功一「落とした意地だけは諦めきれない」~心に響くトップアスリートの肉声『日本スポーツ名言録』――第21回
8月9日、ボクシングの元WBA・WBC世界ジュニアミドル級王者である輪島功一の孫、磯谷大心がデビューから3連続のKO勝利を飾った。かつて「炎の男」と呼ばれ、日本中を熱狂させた王者の血は脈々と受け継がれている!
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輪島功一と聞くと「だんご屋」とか「関根勤のものまね」のイメージを強く持つ人も多いだろう。
だが、1970年代にジュニアミドル級(現在のスーパーウェルター級)で世界王座を獲得したことは、日本のボクシング史上において記念すべき偉業であり、これは日本人の体格が良くなった現在でも相当な難関である。しかも、輪島は世界王座に二度も返り咲いている。
それでいてコミカルなキャラが定着したのは、根っからの陽気な性格が深刻さを感じさせないためか。確かに輪島は努力と根性の人ではあったが、同時に常識外れとも言える変則ボクサーで、そのエピソードは多分に芝居がかっていた。
例えば当時、多くのボクサーは世界タイトルを獲るため、ギリギリまで減量して試合に臨んでいた。輪島もいったんは階級を2つ下げ、世界挑戦の前哨戦としてジュニアウェルター級(現在のスーパーライト級)王者に挑んでいる。
しかし、ここで1ラウンドKO負けを喫すると、逆に「減量なんて男らしくない」と元の階級での世界挑戦を目指し、見事に王座を奪取した。
輪島の代名詞である「かえる跳びパンチ」や「あっち向いてホイ」といった奇抜な戦法は、それを思い付いたとしても、実際に試合で試すとなればためらうのが普通だろう。これを堂々とやってのける輪島の肝の太さは、常人には計り知れない。
あんなものはボクシングではないと批判
なお「かえる跳び」とは、完全にしゃがんだ状態になって相手の視界から消えて、そこから跳び上がるようにしてパンチを放っていくもの。「あっち向いてホイ」は試合中にあらぬ方向に視線を向け、相手が釣られてそちらを見た隙に攻めていくというものだ。輪島は、これらの戦法を世界初挑戦の大舞台で実行してみせた。
1971年10月31日、東京・両国の日大講堂で行われたWBA・WBC世界ジュニアミドル級タイトル戦。王者カルメロ・ボッシ(イタリア)はローマ五輪で銀メダルを獲得した技巧派で、大方の予想では「輪島に勝ち目なし」とされていた。
そんな相手に奇策を用いたことについて、のちに輪島は「世界の重量級を相手にするときは、まともにぶつかっては勝てない。相手の裏の裏の裏をかくんですよ」と語っている。当の試合については、関係者から「あんなものはボクシングではない」との批判も少なからず聞かれた。
選手層の薄さもあって、国内の中量級では連戦連勝状態だった輪島も、世界が相手となるとそうはいかない。身長171センチの輪島と比べたときに、身長でもリーチでも優に10センチ以上も上回る選手がざらにいた。
そんな中で、万に一つのチャンスをつかもうと繰り出したかえる跳びパンチは、クリーンヒットこそしなかったが、王者ボッシを大いに戸惑わせることになった。そこからリズムを崩してスタミナを消耗し、粘り込んだ輪島は、15ラウンド判定で勝利を収めることに成功した。
かえる跳びというとどこかユーモラスにも聞こえるが、試合中盤でしゃがみ込むとなれば足腰への負担は大きい。そのため、輪島がこれを使ったのはボッシ戦1回だけである。あっち向いてホイも、相手が冷静であれば輪島が横を向いた瞬間に、KOパンチを決められていたかもしれない。
「ボクシング頭では誰にも負けない」
リスクを重々承知のうえで輪島は賭けに出て、そこで見事に勝利した。二度目の王座返り咲きとなった柳済斗(韓国)との試合前には、マスクをして記者会見に現れて、体調不良であるように装ったりもした。後年に輪島は「パンチ力やスタミナでは劣るかもしれないけれど、ボクシング頭では誰にも負けない」と話しているが、勝利に並々ならぬ執念を燃やしていた。
前の試合でKO負けを喫し、病院送りにされていた輪島は「プロである以上、稼がせてくれる機会がある限り俺はリングに上がる。ただ、これは金じゃないんだ。落とした金なら諦めがつく。だが落とした意地だけは諦めきれない」と柳への雪辱を誓った。奇策の裏側には、輪島なりの男の意地があったのだ。
この試合、再度のKOを狙って大振りの目立つ王者に対し、輪島はコツコツとポイントを重ねる戦法に出た。ラウンドが進み、あとは逆転の一発さえ食らわなければ輪島の勝ちは揺るがない。
輪島本人も戦況を分かっていたが、それでも果敢に前に出続け、ついに最終回ではダウンを奪い、見事KO勝利を奪ってみせた。まさしく意地の勝利だった。
輪島が三度目の世界王者になった翌日、都内で強盗が銀行に立て籠もる事件が発生した。このとき説得に当たった警察官は「おまえも昨日の輪島の試合を見ただろう。輪島を見習って人生をやり直せ」と説得したという。
《文・脇本深八》
輪島功一 PROFILE●1943年4月21日、樺太生まれ。元WBA・WBC世界ジュニアミドル級(現在のスーパーウェルター級)王者。引退後はタレント、ボクシングジム会長として活躍。だんご屋の経営も行っていた。
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