(画像)Krakenimages.com/https://www.shutterstock.com/
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北朝鮮トンデモ“愛国プロジェクト”!困窮する国民に「国旗Tシャツ」購入を強制!?

米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)を拠点とする原子力空母「ロナルド・レーガン」が9月23日、韓国海軍基地のある釜山港に入港した。韓国への寄港は文在寅前政権時代にはなく、約4年ぶりのことだ。


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米国のバイデン大統領と韓国の尹錫悦大統領は、5月の首脳会談で北朝鮮がもたらす脅威について話し合い、必要に応じて米国が韓国側に「拡大抑止」を提供することで合意している。


「今回の寄港の建前は、日本海で近く予定されている米韓両軍の合同演習に参加するためですが、実際は核兵器を含む米国の戦力を背景に、7回目の核実験を準備している北朝鮮をけん制することが狙いです」(軍事ライター)


北朝鮮は、さっそくこの動きに反応した。


韓国軍の合同参謀本部は25日午前、北朝鮮が北西部の平安北道・泰川付近から日本海に向け、短距離弾道ミサイル(SRBM)の可能性があるものを発射したことを明らかにした。日本政府関係者によると、ミサイルは日本の排他的経済水域(EEZ)の外に落下したという。


これに先立つ22日には、北朝鮮を監視している米国のシンクタンク『38ノース』が衛星画像を分析し、北朝鮮が弾道ミサイルの搭載が可能とみられる新型潜水艦の進水準備を進めていると公表している。


「北朝鮮はディーゼルを動力とする旧式の潜水艦を多数保有していますが、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)が搭載可能な潜水艦は1隻しか確認されていません。5月に東部の新浦付近(潜水艦基地)から短距離のSLBMを試射していますが、潜水艦からと主張するものの未確認です」(同)

見せしめ処罰で取り締まり強化

相変わらず武力を誇示することに必死な北朝鮮だが、現状では中国に面倒を見てもらえず、ロシアも国際的な影響力が落ちている中で、金正恩総書記は行き当たりばったりの政策に終始しているようだ。

内部統制の強化に躍起となっている北朝鮮当局は、2020年に「反動思想・文化排撃法」が制定されたにもかかわらず、いまだ反社会的な行為がまん延しているとの判断に立ち、これを取り締まるという名目で国民への弾圧を行っている。


「反動思想・文化排撃法」とは〈南朝鮮(韓国)の映画や録画物、編集物、図書、歌、絵、写真などを直接見たり聞いたり保管したりした者は、5年以上15年以下の労働教化刑(懲役刑)を宣告され、コンテンツを持ち込み流布した者は、無期労働教化刑や死刑など最高刑に処す(第27条)〉と、他国から見ればア然とするような前近代的な法律だ。


「韓流コンテンツの視聴や販売禁止にとどまらず、韓国式のファッションやアクセントまで取り締まりの対象にするなど、韓国文化の影響力排除に血眼になっています。時々、若者が見せしめで処罰されているのですが、政治臭のプンプンするセンスのない北朝鮮製コンテンツより、おしゃれな韓国製コンテンツのほうが好まれて当然です」(北朝鮮ウオッチャー)


北朝鮮が「社会主義を守り抜く」として制定した同法が、むしろ「社会主義の終わりの始まり」を示唆しているとも言えるだろう。しかし、この北朝鮮文化の危機に際して、正恩氏の実妹である金与正党宣伝扇動部副部長が立ち上がった。


「与正氏が韓国式のコンテンツやファッションよりも、国産品を重用しようという『愛のTシャツ』キャンペーンを始めたのです」(同)

愛国心はこれで保てる!?

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は9月14日に、「人民の心の中に深く刻まれた共和国旗」というキャプションを付け、北朝鮮の国旗がデザインされたTシャツを着た男児の写真を配信した。これ以外にも国旗Tシャツを着た写真が複数配信されているが、与正氏の指示で同プロジェクトが推進していることは間違いない。

Tシャツの製造を担当する軽工業省に下された布置(布告)の内容は、「共和国旗が描かれた服を堂々と胸を張って着こなし、楽しめるように被服部門で革命を起こせ」というもので、さまざまな産業美術デザインを考案して生産せよとの内容も含まれている。


国旗Tシャツの価格は、国営工場製のものは1着3万北朝鮮ウォン(約510円)、家内班(小規模な生産協同組合)制のものは、その半額から3分の1程度で販売されているようだ。


「コロナ鎖国による移動制限や経済制裁、毎年のように発生する自然災害の影響で、地方の農村部では餓死者さえ出ているのが北朝鮮の現状です。現金どころか明日の食糧もない家庭が、どうやって3万北朝鮮ウォンもするTシャツを着られるのでしょうか」(国際ジャーナリスト)


当局としては与正氏に忖度し、国民に有無を言わせずTシャツ購入を迫るしかない。しかし、そんなことをして愛国心が育つはずもなく、むしろ当局に対する反発が強まるだけだろう。


与正氏は今後10年にわたり、こうした〝愛国プロジェクト〟を続けるというが、それまで体制を維持できるのだろうか。