『佐久間宣行のずるい仕事術 僕はこうして会社で消耗せずにやりたいことをやってきた』ダイヤモンド社
『佐久間宣行のずるい仕事術 僕はこうして会社で消耗せずにやりたいことをやってきた』ダイヤモンド社

『佐久間宣行のずるい仕事術』著者:佐久間宣行~話題の1冊☆著者インタビュー

佐久間宣行(さくま・のぶゆき) 1975年11月23日、福島県いわき市生まれ。テレビプロデューサー、演出家、作家、ラジオパーソナリティ。『ゴッドタン』『あちこちオードリー』などを手がける。元テレビ東京社員。
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――発売以来、組織の中での仕事術がぎっしり詰まっていると話題になり、ベストセラーになっていますね。


佐久間 はい、非常に嬉しい感想をたくさん頂きます。ある企業では、会社を辞めそうな新人にまず渡すべき本になったらしく、この本のおかげで3人辞めずに済んだと感謝されました。研修で配る企業もあるらしく、本当に書いてよかったと思いました。


僕は今までのサラリーマン人生で、組織の中の人間関係や軋轢につぶされて、やりたい仕事までたどり着けなかった先輩や後輩をたくさん見てきました。みんな才能も実力もある人ばかりでした。なのでとにかく、自分の経験や知見をそうなる前の人たちに伝えたかったんです。


――苦手な人と仕事をする時はどうすればいいのでしょうか?


佐久間 苦手な人には先回りしてコントロールするようにします。これをやったらダサい、こんなダメなやつを他社で見た…といった情報を先に流し、身動きをとれなくするんです。時には、架空のダメなやつの話を作ったりします。他社の○○さんはこんなやり方でチームが崩壊したらしい。我々はそれを避けよう…というような話をするのです。それでもダメなら、その困った人物をコントキャラクターだと思ってやり過ごします。コント「自分のメンツだけが1番大事な人」のように。そうすることで客観視できるんです。その後、しっかり笑いのネタにして、各所で共有します。

自分の戦力分析をできるだけ早めに

――仕事で結果を出すために、まずするべきことは何でしょうか?

佐久間 自分のできることやできないことを、できるだけ早く把握すること。自分の戦力分析です。そして、できないことは他人の力を借りられるよう頼み方を研究することです。さらに、プライオリティの付け方がうまくなること。結局、現状把握が下手な人はいつまでたっても仕事のスピードもクオリティも上がりません。一番意味がないのは、決定権のない身近な先輩に愚痴を吐くことです。100%周囲にバラされるし、事態は好転しません。


――昨年4月に45歳でフリーに転身しました。仕事のやり方に変化はありましたか?


佐久間 ストレスは極端に減り、仕事はさらに楽しくなりました。心がけているのは、調子に乗らないことです。あとは誠実な納品。とにかく締切は守る。無理そうなら早めに情報共有する。それくらいですね。仕事は仕事、無理しない代わりに相手に無理強いはしない、そう思って気楽に向き合っていこうと思います。


(聞き手/程原ケン)