来年3月、東京駅八重洲口に開業する『東京ミッドタウン八重洲』で、地下の13店舗が9月17日に先行オープンした。東京の中心地に超高層オフィスビルが乱立していることで、八重洲のビル街が供給過多に陥り、近い将来のゴーストタウン化が懸念されている。
「大企業を中心にコロナ禍で定着したテレワークによって、一等地のオフィスビルの需要度は落ちた。6月に『NTT』は基本的な勤務場所を〝自宅〟などに定め、出社を〝出張扱い〟にすると発表した。8月に本社移転した住宅設備大手『LIXIL』も、新オフィスの面積は約9割も縮小した」(経済ジャーナリスト)
東京ミッドタウン八重洲は地上45階建てで、全面オープンすれば国内最大級となるバスターミナル(17日に一部開業)を設けるなど交通アクセスの立地条件は申し分ない。しかし、目玉の超高層ビルのオフィスフロアは、現段階で半分程度しかテナントが決まっていないという。
「八重洲に限らず、東京のビル街は相次ぐ再開発でオフィス供給量が128万平方メートルを超え、都心部全体で供給過多になる『2023年問題』を抱えているんです」(不動産ジャーナリスト)
中小企業がメインだったら…
2023年には東京ミッドタウン八重洲をはじめ、虎ノ門・麻布台プロジェクト、虎ノ門ヒルズステーションタワー、東京三田再開発プロジェクト・オフィスタワー、渋谷駅桜丘口地区市街地再開発事業など、大規模オフィスを備えた再開発タワー群の竣工が目白押し。
「来春3月10日にグランドオープンする予定の東京ミッドタウン八重洲のある八重洲地区は、中小企業が入居するビルが多かった。しかし、東京ミッドタウン八重洲は大企業をメインターゲット層として建設された大型ビル。大企業ではなく中小企業をターゲットにしていたら、テナントは満室になっていたと思いますよ。家賃が高い超高層ビルでは、コロナ禍で飲食店の閉店も目立つ。再開発したはいいが、ゴースト化が心配ですね」(同)
2023年問題は、不動産バブル崩壊が絡んでいるだけに深刻だ。
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