社会

岸田政権“リセット解散”で自滅!? 終わりなき支持率低下の四重苦

岸田文雄
岸田文雄 (C)週刊実話Web

台風一過ですっかり秋めいてきた日本列島。さわやかな秋空をよそに政界の水面下では「岸田政権リセット解散風」が一気に吹き始める気配だ。

「時事通信の最新世論調査(9月9日〜12日)で、岸田政権の支持率が発足以来最低の32.3%と危険水域直前まで落ちてきた。深刻なのは支持率低迷とともに不支持率が11.5ポイントも急増したこと。原因は直面する『四重苦』。このままでは岸田政権は追いつめられ、野垂れ死にを待つだけ。岸田文雄首相は『支持率が危うくなったら即、解散』と日頃から口にしていた。支持率急降下の今は、まさにその時機ではないか。タイミング? それは安倍晋三元首相の国葬(9月27日)後、10月3日予定の臨時国会冒頭だ」(岸田政権幹部)

そもそも、岸田政権幹部が挙げる支持率急降下の「四重苦」とは、①安倍国葬反対、②旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)問題、③円安・物価高、④東京五輪汚職事件だ。

まず、1週間を切った安倍元首相の国葬については、反対の意見が日に日に勢いを増している。

「安倍元首相の国葬を閣議決定した7月の段階で、賛否はほぼ半々だった。しかし、最新の時事通信調査では賛成が25.3%と半減したのに、反対は51.9%と開きが倍加した。国民の間ではモリカケ(森友・加計学園)疑惑や『桜を見る会』問題など負の遺産も多く持つ安倍元首相の国葬に、なぜ16億円以上もの税金を使うのかという疑念がある」(金融アナリスト)

政界汚職に強いヤリ手検事が挑む

旧統一教会問題は、霊感商法など大きな社会問題が指摘されてきた教団と自民党のパイプ、繋がりだ。自民党国会議員の379人中、実に179人が何かしらの接点を持っていたことが浮き彫りとなった。

「自民党は所属国会議員に対し行った旧統一教会との関係性の調査結果を8日に発表した。しかし、後から岸田首相の最側近・木原誠二官房副長官の報告漏れがあったように、まだまだズブズブの関係は出てくるでしょう」(政治担当記者)

円安・物価高はどうか。

「1ドル140円台と24年ぶりの〝超円安〟に歯止めが掛かりそうにない。庶民は給料が上がらないのに、電気、ガス、ガソリンなどの燃料費はもとより、食料品などの生活必需品まで高騰し、年間10万円以上の支出が増えることに悲鳴を上げている」(50代会社員)

庶民生活は汲々としているのに、東京五輪汚職事件の捜査の網は拡大する一方。大会組織委員会元理事で電通元専務の高橋治之容疑者が受託収賄容疑で逮捕され、贈賄側が芋づる式に炙り出されそうな雲行きだ。

「この五輪疑惑が岸田政権にトドメを刺す可能性が高まっている。捜査を進める東京地検特捜部で陣頭指揮を執るのは、カルロス・ゴーン事件などを担当した市川宏特捜部長だ。その背後には、同地検の森本宏次席検事がおり、まさに鉄壁の『ダブル宏』体制」(全国紙社会部記者)

森本次席検事といえば、市川氏の前々任の特捜部長。森本特捜部長時代は、市川氏とカルロス・ゴーン事件を手掛けたほか、秋元司元衆院議員を逮捕したカジノ汚職事件、河井克行元法相・河井案里元参院議員を摘発した公選法違反事件など、政界汚職に並々ならぬ熱意を持つヤリ手検事だ。

「贈賄側では、これまで紳士服大手『AOKIホールディングス』の青木拡憲前会長、出版大手『KADOKAWA』の角川歴彦会長らを逮捕している。特捜の本丸は、さらにその先、政界疑獄を狙っているのは間違いない。政界ルートに金が流れていないか用意周到に捜査を進めている」(同)

解散総選挙で解決!?

どれもこれも岸田政権が直面する逆風は、対応を一歩間違えれば、吹き飛んでしまう威力を持つ。

「10月の臨時国会で野党は旧統一教会問題と円安・物価高、国葬費用などで岸田政権を揺さぶる絶好のチャンスと見ている。岸田政権は円安・物価高を収束させる方策は当面ゼロ。また、閣僚や党幹部に広がる旧統一教会問題でも厳しい局面に立たされるはず。さらに、特捜が五輪疑惑で政界に切り込んだらジ・エンド。だから岸田首相は、その前に解散総選挙でリセットしたい思惑があるとささやかれている」(自民党幹部)

時間が経つほど岸田政権には逆風が強まる要素しかない。ならば解散総選挙という窮余の策だ。

とはいえ、岸田政権にとって優位なデータもある。先の時事通信の世論調査では、政権支持率は大きく下がっているものの、政党支持率は自民党が22.4%(前月比1.9ポイント減)。2番手の立憲民主党は4.0%(同0.8ポイント減)。続く公明党と日本維新の会は3.4%で、自民党1強は変わらないのだ。

「今、選挙をやれば自民党は圧勝です。自公で政権維持可能な過半数233議席獲得は余裕。最悪の場合、自公で過半数割れしても、日本維新の会を連立に取り込めばいいだけ」(政界関係者)

「首相は『国葬が行われれば、多くの外国要人が訪れ、弔問外交でムードが一変する。だからリセット選挙は勝つ』と読んでいる」(岸田氏側近)

読みが外れれば〝自滅〟一直線。

あわせて読みたい