社会

「殺すからな!」“同業者”を脅しユーチューバー逮捕…報じられなかった事件の裏側

(画像)Cast Of Thousands/Shutterstock

9月14日、YouTubeの生配信中に知人男性を「殺す」などと脅したとして、自称配送業の男(30)が警視庁に逮捕された。

脅迫容疑で逮捕された男は「麻暴(まーぼー)」のチャンネル名で活動するユーチューバー。飲み屋での支払いトラブルの模様を生配信したり、他のユーチューバーに噛み付いたりする、いわゆる〝アウトロー系〟だ。

被害者のO氏は、都内で〝バク転教室〟の指導者を務める傍ら、ボランティア活動も行う元チーマー。現在進行形のトラブルなどもYouTube配信のネタにするため、麻暴と同じ〝アウトロー系ユーチューバー〟に分類される。

ニュースでは報じられなかった事件の〝裏側〟を、全国紙の社会部記者が明かす。

「今年に入って人気上昇中だったO氏の生配信に麻暴が参加するカタチで知り合った2人ですが、配信中に口論が勃発。4月に〝公開スパーリング〟という形で決闘し、O氏が麻暴をノックアウトしたんです」

遺恨を残さないように、スパーリング後は居酒屋で打ち上げを行い、わだかまりは解消されたかに思われたが…。

「カッターあるけど最後に刺すわ」

「今年の6月、O氏は視聴者を大勢引き連れ、東北で復興支援のボランティア活動を行った。その行きのバスの中で、女性参加者のA子さんが人の飲み物を勝手に飲んだり、運転中のO氏に無茶な要求をしたりと非常識な振る舞いを連発したようです。怒ったO氏は、ボランティア終了後、動画上でたびたびA子さんを〝口撃〟するようになった」(同・記者)

なんと、このA子さんが最近になって麻暴と恋仲になったというのである。

かつての〝宿敵〟から恋人を批判された麻暴は、O氏に対して「A子の誹謗中傷をやめろ」とSNSで抗議したが、あしらわれたという。

激怒した麻暴が、「カッターあるけど最後に刺すわ。俺は行くぞマジで。俺は刺すぞマジで。確実にやるからな。殺すからな!」などと生配信しながら、A子さんを連れてO氏の自宅マンション前を訪れたところを逮捕されたのだ。

「アウトロー系ユーチューバー同士の『殺してやる』『やれるもんならやってみろ』といった舌戦は日常茶飯事。視聴者も、それを待ち望んでいるフシがあり、外野も盛り上がるが、たいていは何事も起きずに終わる。今回は、『殺す』という発言にとどまらず、凶器の所持をほのめかしながら実際に相手の家の前まで行ったため、大ごとになった」(ネットライター)

A子さんと同棲を始めた当初の麻暴は〝平和なカップル配信〟をしていたというが、その時期の視聴回数はふるわなかったそうだ。

「犯行の背景には、『恋人を守りたい』という思いのほか、『トラブルを起こせば視聴回数を稼げる』という思いもあったのかもしれませんが、いくらなんでもやりすぎましたね」(同・ライター)

今回の事件で、麻暴のYouTubeアカウントはBAN(停止)されてしまった。アウトロー系ユーチューバーの中には「逮捕されること」さえネタにする輩がいるが、収益のベースを失ってしまっては元も子もないだろう。

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