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『僕の心臓は右にある』著者:大城文章~話題の1冊☆著者インタビュー

『僕の心臓は右にある』朝日新聞出版

『僕の心臓は右にある』朝日新聞出版/1540円

大城文章(おおしろ・ふみあき)
芸人。チャンス大城。1975年尼崎生まれ。中学3年で大阪NSC(8期)に入るが退所し、定時制高校に通う。その後、再び大阪NSC(13期)に入る。上京後、地下芸人時代を経て、現在は吉本興業所属芸人として活躍。本書は4刷を達成しベストセラーになっている。

――心臓だけでなくすべての臓器が左右反対にあるそうですね。初めて知ったときはどんな気持ちでしたか?

大城 小学校に入学して、初めての健康診断の時のことです。体育館に1年生全員が集められて、8人くらいのお医者さんの前に並ばされました。ボクの順番がきたのでお医者さんの前でシャツをまくると、メガネの先生がボクの胸に聴診器を当てました。

「いったん中断してええか」お医者さんはそう言うと、興奮した表情で左右にいるお医者さんに集合をかけました。「みんな、来てくれー」たくさんのお医者さんが、まるでタワレコの試聴みたいに、代わる代わるボクの胸に聴診器を当てていきます。「噂には聞いたことあるけど、本物は初めてや」。

〝内臓逆位〟というそうです。ボクは心臓だけでなくて、胃も腸も肝臓も膵臓もすべての臓器が左右反対になっているのです。

寛平さんからいただいた“秘密のアドバイス”

――14歳で大阪のNSC(吉本総合芸能学院)に入ったそうですね。お笑い芸人になろうとしたきっかけはなんだったのですか?

大城 中学生になると、いじめが始まりました。中学に入ってからしばらくの間、一度も笑っていないんじゃないかと思うほどでしたが、そんな様子を察したのか、おかんが『うめだ花月』に連れて行ってくれました。そこで、間寛平さんを見て感動したんです。「世の中にこんな面白い人がいるんや。かっこええなー」と。

先日、たまたまテレビ局で間寛平さんにお会いしました。「兄さんを見てこの世界に入りました!」とお伝えすると、「ほんまか~? おまえはー」と言われました。そのとき、秘密のアドバイスもいただきました。その言葉を心に刻んでがんばります。

――出身地の尼崎は本当にディープな町ですね。

大城 実家がバキバキ近いので『尼神インター』の渚ちゃんといつか対談したいですね。場を作ってください!(笑)。街のエピソードはたくさんありすぎるので、ぜひ本書を読んでみてください。

――本書を読んで、大爆笑する読者が続出しています。

大城 たくさんのありがたいお言葉をいただく中、「今、いじめられています…」「死にたいんですけど…」という方からも「力をもらいました!」「勇気をもらいました!」というメッセージが届いています。お笑いにはメッセージ性はないんですけど、書籍では前向きなメッセージを発信できたらと思っています。それができたら本当にありがたいですね。そして何より、皆さまに感謝です。

(聞き手/程原ケン)

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