社会

急増する“シニア海外移住者”に警鐘!マレーシア長期滞在ビザ取得条件が変更へ

(画像)Dean Drobot / shutterstock

最近は節税を目的とした富裕層だけでなく、中間層の海外移住者が急増しているという。外務省の調査によると、海外に3カ月以上在留している日本人は、2021年で約134万4900人となり、1989年の58万6900人と比較すると約2.3倍まで増加している。

今年4月からタイに移住した50代の男性は、「コロナ禍を理由に会社をリストラされ、現金350万円を持ってパタヤに単身で移住しました」と話す。

バンコクから車で約2時間のリゾート地パタヤは、世界中から観光客が訪れる。家計の内訳は、住居費1万8000円、光熱費4000円、通信費3500円、食費2万円。家は繁華街に近いエリアで35平米のアパートメントだが、1人で暮らすには十分だという。

家賃5万円以上を払えば、ジムとプール付きの高層コンドミニアムにも住めるので、夢の南国ライフを堪能できそうだ。

ビザを取得しても…

長期滞在や移住を検討する上で注意すべきは、ビザを取得する際の資産条件だ。タイの場合、50歳以上の外国人は長期滞在用(通常1年、延長可)のビザを取得することができる。ビザ取得には、タイ国内に1人当たり80万バーツ以上(約310万円)の預金があること、または月額6万5000バーツ以上(約25万円)の年金収入か、80万バーツ以上の年収があることが条件になっている。

シニアの移住先として人気を博していたマレーシアは、長期滞在ビザの取得条件が大幅に変更された。

「家族でマレーシアに移住しましたが、21年に試算条件だった銀行への預金額が大幅に引き上げられ、人生設計が狂ってしまいました」(クアラルンプール在住の60代男性)

日本から脱出してストレスフリーな生活を送りたいが、どこに住んでも一生安泰とはいかないようだ。

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