実りの秋、スポーツの秋を先取りするような大相撲秋場所が、9月11日から東京・両国国技館で始まった。今年は毎場所、優勝力士が入れ替わっているように、秋場所も絶対的な本命が見当たらないが、こちらの戦いも本格的にスタートした。
引退からおよそ1年。定年退職する前宮城野親方(元幕内竹葉山)と名跡交換し、宮城野部屋を率いる元横綱白鵬の宮城野親方と、ひと足先に部屋を興したかつてのライバル、元横綱稀勢の里の二所ノ関親方だ。
宮城野親方は一本立ちを前に「常に2桁勝利が当たり前の横綱、大関になった時と同じような緊張感がある」と決意も新たにした。そして、「強い関取を育てるのが私の役目。力持ちで心やさしく、義理と人情を持って強くなってもらいたい」と話し、自らまわしを締め、先頭に立って体当たりの指導を表明している。
対する二所ノ関親方は引退後、早大大学院スポーツ科学研究科で学び、部屋に土俵を2面作るなど、斬新な指導を行っている。
宮城野親方を祝福する2つの吉報
果たして、どちらが功を奏するか2人の新たなバトルも楽しみだが、部屋持ち親方になった宮城野親方を祝福するように、2つのうれしいことが決まった。
「1つはコロナ禍で決まらずにいた引退相撲がようやく来年1月28日、母タミルさんの75回目の誕生日に決定した。もう1つは、今場所から『スポーツ報知』の専属評論家に就任し、連日、紙面で健筆を振るっていること」(大相撲担当記者)
これで『スポーツニッポン』専属評論家として活動中の二所ノ関親方と肩を並べることになる。
「宮城野親方の最終的な目標は、協会トップの〝理事長〟です。そのためにも、二所ノ関親方に後れを取るわけにはいかない。また、伊勢ケ浜一門で足元を固めるためにも、まず弟子育成で実績を上げることが不可欠。引退相撲が決まったとき『これから引退相撲までの3場所で現在幕下にいる有望株の川副、向中野を関取にする』と思わず漏らした言葉に、それが表れている」(同)
宮城野親方の野望は、膨らむばかりだ。
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