(画像)Laugesen Mateo/Shutterstock
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自動車業界に中国が侵食!? ボルボもベンツも中国資本の支配下で止められない勢い

米国カリフォルニア州の環境当局は8月25日、2035年にガソリンのみで駆動する新車の販売を全面禁止する新たな規制案を決定した。同州は歴史的に見ても、他州に先駆けて排ガスなどの環境規制を推し進めてきた経緯がある。しかし、今回の規制案については、各方面から疑問の声が多く上がっているようだ。


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「電気自動車(以下EV)推奨は、安易な政治パフォーマンスであり、排出枠ビジネスという負の温床を生んでいる。大手マスコミは取り上げませんが、昨年、各国の政府が発表した将来におけるEV化の目標は、すべて条件付きのもの。欧州においてはEV100%よりも、バイオ燃料によるエンジン車の開発が注目されています」(自動車評論家)


今年に入ってからは、経済の主軸がグローバル化から安全保障に移行しており、蓄電池技術を中国に握られているEVの普及に対しては、各国とも従前以上に慎重になっている。

筆頭株主が中国資本…

そんなさなかに、なぜカリフォルニア州だけが具体的に一歩踏み込んだ規制案を発表したのか。

「カリフォルニア州には、中国系米国人および中国人が多く住んでいます。例えばサンフランシスコの人口の5分の1が中国系といわれ、有力政治家も多い。今回の決定の背景に、中国の意向が反映されていることは間違いありません」(同)


脱炭素という錦の御旗を掲げ、巨大な自動車産業市場をEVで奪おうというのだが、中国の野望は着々と結実している。


「すでにボルボは完全な中国資本ですし、メルセデス・ベンツの筆頭株主も中国資本です。フォルクスワーゲン・グループにしても、中国市場の動向に経営が左右される体質になっています」(経済アナリスト)


夢のある次世代自動車の話題においても、各国の対立が絡む世知辛い時代だが、中国の勢いはもう止められないのかもしれない。