JRA重賞『京成杯オータムH』（GⅢ）映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想！

〝有終の美〟を飾るはずの夏競馬オーラスの新潟記念も1＆2着が買えず、お手あげ状態で、この夏は最後まで〝地獄〟だった。先週の文中に「人馬ともに思い入れ少々アリの菅原明カラテも、距離400延長がネックのような気がするので蹴る」と記したら、堂々の1着だもの…。

2着も3年前の勝ち馬とはいえ、完全無視した石橋ユーキャンスマイルにスマイルされて絶句し、3着にやっと〝第二軸馬〟の松若フェーングロッテンが入ったが、馬券的には何にもならない。裏の小倉2歳Sにも少し触れた先週。「とはいえ、私の本命は松山ロンドンプラン」と記し、出遅れ最後方からブッコ抜きを演じて1着のステキな強さを発揮し、しばらく〝2歳戦線〟はこの馬で！　と誓ったところである。

ひょっとして馬券も取ったの？　と聞かれると急に声が小さくなるね。2着の団野バレリーナは買えず、3着の西村シルフィードレーヴはしっかり買っていたのに（こちらも馬連万馬券）…。相変わらずチグハグです。相当打ちのめされたので、今度こそ、とことん夏競馬が嫌いになった！　とはいえ、来年の夏が来るころにはすっかり忘れて、懲りずにイソイソと買いに行ってるんだろうなあ。

で、待望の秋競馬。マージャンで言えば「場替えだ、場替え！」ってな心境だろう。心機一転、忌まわしい記憶は忘れて、今週こそ当てるぞ！　「秋は、秋本の秋」、って先週も言ったか（冷や汗）。日曜重賞は二択。本来なら格でいえばGⅡのセントウルSを選ぶのがズジだろう。1番人気が10年連続連対中、6年連続勝利中という凄まじさなのだから、日本一堅い重賞かも知れない。

よって連敗地獄に喘ぎ、とにかく〝当てたい〟ボクとしては、1番人気（多分メイケイエールか）から買えばだいたい当たるはず、だけに手を出したいところだが、敢えて茨の道を！　難解なハンデ戦の上、近7年で二桁人気が6頭も馬券圏内に突入していて〝荒れっぱなし〟の京成杯オータムHをチョイス。無謀かなあ。まあ久々に首都圏に競馬が戻ってくることだし、秋本だけに〝秋（オータム）〟が入ってる重賞を優先しなきゃ、とこじつけてみた。

スワローズの“勝ち運”をおすそ分けして！

確かに難解だ。どこからでも入れそうな気がする。意地を張らず、セントウルSにしときゃ良かったかな、と脳裏をよぎる後悔を振り払い、ここは初志貫徹しよう。まず、牝馬がよくからむレースなので、鮫島駿シャーレイポピーなどもいるが、ここはデムーロのミスニューヨークに代表させてまず抜擢。関東ベテラン騎手も奮闘中なので戸崎ルークズネストを。中京記念でミスニューヨークに先着している西村淳ベレヌス、吉田隼ファルコニア、そして、今年の戦績安定の横山武ダーリントンホールまでのボックスで。

さて〝映画連想馬券〟は、ミスニューヨークから、ヒロインが素敵なニューヨーク映画ってことで『ゴースト　ニューヨークの幻』（90年）はどうか。死後、幽霊になっても愛する人を守ろうとする男（パトリック・スウェイジ）のラブ・ファンタジー。守る相手がデミ・ムーアなら納得！　と当時評判になったほど。2人がロクロを回しながらエッチになだれ込むシーンがエロい。ロクロがぐにゃりと崩壊し、2人の理性も崩壊する、って段取りがたまらんね。

この秋の、最大級の楽しみと言えば、もう60年近く国鉄スワローズのころからのファンとしては、ヤクルトスワローズのV2が濃厚になってきたということ。8日（木）現在、2位ベイスターズに7ゲーム半差なら、直線あと50メートルのところで持ったままで4～5馬身離している気分で、ほぼ大丈夫かな？　まあ野球も競馬もゲタを履くまで分からないけれど。競馬と野球、この2つがなきゃ世の中退屈で仕方がないところ。映画は？　ってツッコまれそうだけど、それは仕事だから別物、ということでヨロシク。スワローズ優勝村上3冠王の実現を念じながら、その勝ち運を、わが秋競馬におすそ分けしていただきたいものだ。

買い目は、すっきりくっきり①⑥⑦⑧⑪の馬連＆3連複ボックス。まあ、秋初戦だから、イレ込まず、控えめに、様子を見よう。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年　パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』（キネマ旬報社）など。