8月20日に渋谷の路上で発生した「通り魔」事件。殺人未遂の容疑者として逮捕された15歳の少女は、スポーツ好きで活発な生徒だった。
「1学年下の弟がサッカーを始めた影響で、小学生の頃に彼女もサッカーチームに入ったそうです。お母さんが軽自動車で送り迎えをしていました。近所の幼稚園児くらいのお子さんとも、よくブランコに乗って遊んであげたりしていましたよ」(同級生の保護者)
赤いユニフォームに身を包み、グラウンドを走り回っていた少女は、数年後に世間を震撼させる事件を起こす。
「午後7時20分ごろ、京王線の神泉駅へと向かう途中の路地裏で、見ず知らずの親子に近づき、右手に持った包丁で切りかかったんです。母親はかすり傷程度でしたが、背後から刺された娘は顔面蒼白で路上に倒れ込み、発生直後は虫の息でした」(全国紙社会部記者)
少女に殺意があったことは明白だったという。目撃者が明かす。
「娘を切りつけた直後、母親が少女を抑え込みましたが、その際にも手に持った包丁で再度娘のことを刺そうともがいていましたからね」
部活の人間関係に嫌気?
少年犯罪は「家庭環境の変化」が要因になることが多い。少女の家庭も、3年ほど前に両親が離婚している。
「以前住んでいたアパートとは別のアパートに引っ越されました。その際に、ご両親が離婚したようです」(前出・保護者)
少女と弟は、保険外交員として働く母親が1人で育てることになった。
「聴取に対して少女は、『不機嫌になると態度に出る母親の性格に自分も似てきていて、それが嫌だった』と述べています。一方、母親は『洗濯や料理も手伝ってくれる子だった。親子関係にも問題はなかった』と憔悴しきった様子で捜査官に話しています」(前出・社会部記者)
別の近隣住民も、こう証言している。
「親子関係に問題はなかったと思います。お母さんも、少女が料理を手伝ってくれたという話を嬉しそうにしてくれていましたから」
真の動機が見えない今回の事件。少女の供述も変遷しているという。
「当初は『死刑になりたかった』とか、『母親と弟を殺そうと思った』と話していた少女ですが、最近は『学校に行くのが嫌だった』と漏らしているそうです」(同・記者)
同級生の一人は、学校での人間関係が原因ではないかと話す。
「1年生の3学期から不登校になっていました。原因は、彼女が中学校から所属していたバレーボール部の人間関係だと思います。部内でもグループが何個かあり、雰囲気も悪い。それに彼女は嫌気が差したのではないでしょうか。学校を休むようになってからも、家の近くで見かけることはあったので、元気にはしているんだなと思っていたのですが…」
取り調べを担当する捜査官は、「丁寧に聴取を行う必要がある。鑑定留置も行う」と、今後の方針を明かしているという。時間をかけて少女の〝心の闇〟を解明しなければ、事件の真相には辿り着けそうもない。
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