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『ブラウントラウト』北海道千歳市/ママチ川産~日本全国☆釣り行脚

日本全国☆釣り行脚
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

楽しかった
ブラウントラウト釣り
41年2組 三橋雅彦

今年も暑い暑い夏になりました。ぼくは暑いのとゴキブリが大の苦手なので、夏休みは北海道に来ました。なぜかというと、涼しいしゴキブリがいないからです。泊まっているホテルは千歳の〝グランテラス〟です。リーズナブルなうえに空港から近いのと、大浴場や喫煙部屋もあるので風呂上がりに一服できて落ち着けます。

朝風呂に入り、一服つけて「今日はどこに行こうかなぁ」と考えているうちに、ホテルのすぐ近くの川が頭に浮かびました。ママチ川という川で、ブラウントラウトで人気がある千歳川の支流なので、ママチ川でもブラウントラウトが狙えます。さっそくホテルから歩いて、ママチ川に行ってみることにしました。

歩いて5分くらい、大通り沿いの完全に街の中の川ですが、とても水がきれいです。ちゃんとした釣り人は上流の自然の中で釣りをするようです。でも、ぼくは、ちゃんとしてない釣り人だし、面倒くさいのでここでやることにしました。

日本全国☆釣り行脚
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

安物の磯竿とリールに、オモリと糸とハリを結びます。簡単な仕掛けですが、これで十分です。多分。護岸の上からソッと川を見ると、足下には背の高い草が生えています。ブラウントラウトは障害物や、岸際のエグレなどに潜んでいることが多いので、足下の草の際がいいんじゃないかなと思いました。マス類は警戒心の強い魚なので、川面に姿を映さないように気をつけながら、草むらからポロッとミミズが落ちたようなさまをイメージしてゆっくりと仕掛けを落とすと、浅いのですぐにオモリが底に着きました。

すぐに大きいアタリが!

「こんなに浅くて釣れるかなぁ」ぼくは少し不安になりました。でも、グン! ググンッ! と、すぐにアタリが出たので、ぼくはビックリしてしまいました。しかも、力強いアタリなので大きそうです。しっかり食わせるために糸を送り込み、「落ち着いていけよ」と自分に言い聞かせて竿を煽ります。ズンッ! と重々しい感触とともに安物の磯竿が曲がり、ファイト開始です。グワングワンと力強い引き、右に左にと激しく走り回る度にリールを逆転させて弱るのを待ちます。巻いては出してを繰り返すうちに、ようやくおとなしくなりましたが、流れがあるのと魚体がそれなりの大きさなので、今度は足下になかなか寄りません。さらに護岸が高いので玉網が届きません(アホ)。

ブラウントラウト
ブラウントラウト (C)週刊実話Web

そこで、ぼくはいいことを思いつきました。地面に這いつくばって玉網を伸ばせばよいのです。なんとか玉網が届き、手にしたのは40センチくらいのブラウントラウトです。ちゃんとした釣り人からすれば、そんなに大物でもないかもしれませんが、ぼくはちゃんとしてない釣り人なので、とても嬉しくなってしまいました。

北海道定番“ちゃんちゃん焼き”で

欲張りなぼくは、「このぶんなら、まだ釣れるのでは」と少し歩いてポイントをずらし、先ほどと同じように静かに仕掛けを入れてみます。ゴゴンッ! とすぐにアタリがあって再びファイト開始です。今度はさっきのよりも力が強いので、ぼくはドキドキしてしまいました。でも1尾釣っている余裕があるので、もう焦りません。

ひとしきり力強い手応えを堪能し、再び地面に這いつくばって玉網に入れます。上げてみると、さっきのよりも長さはありませんが、肉付きのよい魚体はよく肥えていておいしそうです。ぼくは、「大きさはアレだけど体つきがよいから力が強かったのかな」と思いました。まだまだ釣れそうでしたが、この大きさのブラウントラウトが2尾も釣れたら、これ以上は食べきれないし、もう十分満足なので釣りをやめてホテルに帰って涼しい部屋で艶系動画で昇天することにしました。

ブラウントラウトのちゃんちゃん焼き
ブラウントラウトのちゃんちゃん焼き(C)週刊実話Web

ブラウントラウトはヨーロッパや西アジア原産の外来種で、ヤマメやイワナなどの在来種に影響があるので北海道では移植が禁止されています。でも、ぼくは食べるので問題ありません。北海道の郷土料理〝ちゃんちゃん焼き〟で、冷えたビールをクーッとやって再び昇天です。

ブラウントラウトは、サケ科なのでサケと同じオレンジ色の身はとてもおいしく、サケ科らしい風味とクセが、野菜の甘味にとても合っていておいしさ倍増です。郷土料理ってすごいなぁ、と思いました。

街中のきれいな小川で手軽にブラウントラウトが釣れて、おいしい肴が手に入るのだから北海道はすごいです。そして力強い引きも、とても楽しかったです。

三橋雅彦(みつはしまさひこ)
子供のころから釣り好きで〝釣り一筋〟の青春時代を過ごす。当然のごとく魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

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