ⒸATELIER DE PRODUCTION - ARTE FRANCE CINÉMA - VERSUS PRODUCTION - 2022
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LiLiCo☆肉食シネマ~『地下室のヘンな穴』/9月2日より全国公開

『地下室のヘンな穴』 監督・脚本/カンタン・デュピュー 出演/アラン・シャバ、レア・ドリュッケール、ブノワ・マジメル、アナイス・ドゥムースティエ 配給/ロングライド


お仕事お疲れ様です。今年の夏は、冷房をつけていてもなんか暑い。単純に猛暑だからなのか、それとも更年期障害なのか、はたまたコロナ禍によるマスクのせいなのか。みんなが元気でいられますよう祈ってます。


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猛暑の中、涼しい穴があったら入りたいと思ったアナタ。あります! ちょっと変わった、とても可愛いけれどブラックで、ファンタジー要素もありながら、ある意味、リアリティーに満ちたフランスの作品に出会いました。タイトルも『地下室のヘンな穴』と不思議感覚がプンプンです。


とある中年夫婦アランとマリーが新居を探し、内覧した時のこと。緑豊かな郊外の建物を案内するちょっと怪しそうな不動産屋さんのオススメポイント「地下室の穴」を見せられます。半信半疑ではあったものの夫婦の心が動き、購入を決めて素敵なマイホーム生活が始まるのです。


この地下室の変な穴。実はここに入ると、この家の2階に出てきます。そこからしてもう謎! 地下にあった穴なのに、なぜ2階に!? それだけではない。時間は12時間進みますが、身体は3日若返るのです。最初はアランが穴に入ることに乗り気で、マリーはちょっと怖がる。自分だったら…ちょっとビビるかも。でも、3日若返ることができるなら、入る価値はある!?

男女の欲の違い…アナタは理解できる!?

内覧の時こそ、アランは面白いなぁと思った程度でしたが、奥さんは徐々にこの穴にハマり始めます。この辺もなんかリアル。不思議な穴で、男女の欲の違いを感じ取ることができるのが、この作品の面白いところ。女性は若くいたい。だから〝若返る〟という言葉にめっぽう弱い生き物。何度も何度も繰り返し入ったら、果たしてどうなるのか?

欲と言えば、こんなサイドストーリーも。アランの会社の上司ジェラールが新居に来て、ディナーをみんなで食べた時のこと。ひょんなことから会話が男性器についての話題になり、驚くことにジェラールは「電子ペニス」の手術をしたことを告白! 携帯で〝操縦〟できるらしく、大満足とのことでしたが、もちろん、このことも後に問題を起こします(笑)。さらに、これが日本製であることが笑いのポイント。


こういったユーモアが入ることによって、男女の違い、つまり何を大事にしたいのかを、ラストまで考えさせられます。なんとなんと、上映時間は74分です!
LiLiCo 映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。