
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、歯科医院の患者が激減しているが、口腔ケアを怠ったために急性増悪で重症化するケースが増えており、歯科医は〝GoTo歯医者〟を推奨している。
「口を開けての治療を恐れている方が多いですが、口内の歯周病菌や虫歯菌が新型コロナ感染症を誘発することもあります。特に高齢者や子どもは自分で口腔を良好に維持することが難しく、感染リスクが高いのです」(都内の歯科医)
昨年4月の診療実績で、外来患者数が前年同月比で「減った」と回答した歯科の医療機関は87.5%に達し、そのうち約3割の医療機関で、外来患者数が30%以上減少している。緊急事態宣言が明けた後も、患者数は元に戻っていない。
「口腔はコロナウイルスにとって門戸に相当します。ウイルスには突起があり、それが人間のアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体と結合して体内に侵入する。ACE2は人間の口腔や舌の上皮細胞に多く存在しており、ウイルスが繁殖しやすいんです」(口腔外科専門医)
歯周病ケアが欠かせない巣ごもり生活
新型コロナ感染症や後遺症で、味覚や臭覚に異常が起こるのはそのためだ。歯周病などによる炎症があると、細胞の膜で覆われているACE2が露出した状態になるため、より感染しやすくなるという。
「歯科医院は長年、唾液や血液の飛沫による肝炎やエイズの感染リスクにさらされてきたことで、ウイルス対策のノウハウが蓄積されている。感染症から身を守るために、マスクやグローブ、ゴーグルなどの着用を徹底していますよ」(大学病院勤務の歯科医)
また、巣ごもり生活状態では、歯磨きと同時に歯周病のケアも欠かせない。
「35歳以降は歯周ポケットができがちなので、デンタルフロスと歯間ブラシを使用して、口の中をきれいにすることが大切です」(都内の別の歯科医)
市販の口腔洗浄剤も殺菌効果があるので、定期的に使用すると効果的だ。虫歯や歯周病を抱える高齢者や子ども、それに大人も早期の歯科治療を勧めたい。
【画像】
aleks333 / Shutterstock
(参考)
新型コロナウイルス感染症に負けない歯と口の健康づくり(日本歯科医師会)
https://www.jda.or.jp/corona/Tooth-and-mouth-health.html
新型コロナウイルス感染症について(日本歯科医学連合会)
http://www.nsigr.or.jp/coronavirus.html
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