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『過去は変えられる』著者:三崎優太~話題の1冊☆著者インタビュー

『過去は変えられる』著者:三崎優太
『過去は変えられる』著者:三崎優太

三崎優太(みさき・ゆうた)
高校卒業後、18歳で株式会社メディアハーツ(現:ファビウス株式会社)を起業。2014年には美容通信販売事業を開始。17年に「すっきりフルーツ青汁」が累計1億3000万個の大ヒットとなり、年商131億円の会社に。現在は若手経営者への事業支援を精力的に行う実業家として活躍。

――〝青汁王子〟ともてはやされ、年商130億円の会社社長から一転して犯罪者へ。当時、どのような心境でしたか?

三崎 2018年1月30日の早朝、自宅で寝ているときにインターフォンが鳴り、「あなたには脱税の容疑がかかっています」と国税局のマルサがやってきたんです。まったく身に覚えがなく、一体どういうことなんだろうとぼう然となりました。

家の中を勝手にひっかき回されただけでなく「何か隠し持っていないか調べるから下着姿になれ」と言われ、無理やり身体検査もさせられました。その後は築地にある東京国税局へと連れていかれ、丸1日取り調べが行われました。身に覚えのない脱税容疑に、これからどうなるのか…と不安でいっぱいでしたね。

――取り調べはどのようなものでしたか?

三崎 当初は「半年くらいで終わる」と言われていた取り調べでしたが、約1年続くことになりました。取引のあった数十社に反面調査が入り、数カ月の間に取引先の数は10分の1に減りました。

「どん底に陥ったとき、皆さんに救われました」

最も許せなかったのは、「君にはかわいがってもらった祖父母がいるでしょ。君があまりに強情だと、おじいちゃんとおばあちゃんのところに行くしかなくなるよ?」「病弱なおじいちゃん、おばあちゃんの体調はもっと悪くなるかもしれないし、命だって大事なんじゃないの?」と、一切関係のない祖父母の家まで押しかけ、家宅調査を行ったことです。事件があった直後から祖父母は寝込んでしまい、今でも病院通いが続いています。

――一時は自殺を考える中、SNSのメッセージで救われたそうですね。

三崎 代表辞任の手続きが終わって何気なくツイッターを見ると、1000件以上のリツイートと「いいね」がついていたのです。そして、「頑張ってください、応援しています」「大変だと思いますが、気を落とさないでくださいね」と、励ましや応援のコメントをたくさんいただきました。一時は何千件という非難の書き込みが殺到していましたが、更新を続けていくうちに、次第に人々の反応が変わっていくのを肌で感じるようになっていきました。

――今後、どのような活動をしていく予定ですか?

三崎 未来ある若者たちに向けて基金を創設しました。経営者を夢見る未来の若者を増やしたいと思っています。私がどん底に陥ったとき、皆さんに救われました。自分で自分を全力で肯定できる未来を迎えるために「過去を変えてやろう」と、私は毎日、精いっぱい生きるつもりです。

(聞き手/程原ケン)