大相撲の新大関・正代が誕生した翌日、師匠の時津風親方(元幕内時津海)が、新型コロナウイルス対策のガイドライン違反で2階級降格になった。
「不祥事続きだった名門・時津風部屋に久しぶりに飛び込んだ朗報だったのに、親方自らドロを塗った格好です」(担当記者)
そんな正代の初優勝に沸いた秋場所千秋楽の翌日(9月28日)、コロナ禍で休眠状態だった横綱審議委員会が、およそ8カ月ぶりに両国国技館で開かれた。
「秋場所もそろって休場するなど、このところ休場が目立つ白鵬、鶴竜の両横綱について、厳しい意見が相次ぎました」(同)
両横綱とも35歳となり、すっかりロートル化。去年の初場所以降の10場所中、半分を超える6場所も休場しているのである。
“弱腰メンバー”の横綱審議委員会
「今や、衰えが目立つモンゴル出身の2人の横綱に、どう引導を渡すかというのが大相撲界の最大の課題です。彼らにとって、休んでも300万円もの月給をもらえ、待遇も超破格の横綱の座は、まさに極楽。何と言われようとも、少しでも長く居座りたいと完全に開き直っていますから。本当は横審に厳しく対処してもらいたいところですが、現在のメンバーは弱腰ですからね。相撲協会も頭を痛めていますよ」(同)
確かに今回の結論も甘い。矢野弘典委員長(産業雇用安定センター会長)は、「大変厳しい意見も出た」と前置きしつつ、次のように説明したのだ。
「今場所は、そこまで踏み込まないことにした。両横綱が自覚を持つことを注視していくことにした」
要するに、来場所も休場したり、思わしくない成績だったら「出処進退は自分で決めなさい」と、今回はトドメを刺さなかったことになるが、武士の情けを彼らがどこまで理解できるか。
ある親方は、冷ややかな笑いを浮かべていた。
「2人ともたっぷり休養を取っているから、おそらく来場所は体調万全なはず。たまに出てきて優勝でもしたら、横審は『よくやった』と絶賛するのかな」
横審には毅然たる態度を見せてもらいたいものだ。
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