支持率急落の第2次岸田内閣…対応誤れば政権崩壊しかねない“5つの問題”
第2次岸田改造内閣が発足した。船出間もない改造内閣の前に立ちはだかるのが5つの難題。旧統一教会問題、安倍晋三元首相の国葬、コロナ感染拡大、物価高、東京五輪招致収賄事件だ。
どれもこれも対応を一歩間違えれば、岸田政権は難破しかねない。目前の嵐に政界は不気味な静けさが漂っている。
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「改造内閣発足直後に日本経済新聞社が緊急世論調査した結果では、新閣僚の顔触れを『評価しない』と回答したのは44%で、『評価する』の30%を大きく上回った。新内閣発足の〝ご祝儀〟を考慮すると、これは極めて由々しき問題です」(全国紙政治担当デスク)
世論の厳しい声は、安倍元首相狙撃事件でクローズアップされた旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)絡みにある。人の不安に付け込み高額品などを売る霊感商法でトラブルが絶えない旧統一教会と自民党議員の接点だ。
「自民党議員と旧統一教会の関係が国民から批判を浴びていることに、岸田首相も危機感を抱いている。そのため今回の内閣改造で旧統一教会と無縁の新布陣で再スタートしたかったはずなのに、新閣僚の加藤勝信厚労相や寺田稔総務相ら7人が旧統一教会との関係が発覚した。山際大志郎経済再生相に至っては留任が決まってから接点を認めた姑息さ。さらに、副大臣や政務官の少なくとも16人に旧統一教会との〝関わり〟が判明する始末。結果、日経や他のマスコミの世論調査でも新内閣に旧統一教会との関係が『払拭されてない』と見ている国民が約8割に達したのです」(同)
国葬に望むは外交の活発化
それは読売新聞の世論調査でも如実に表れている。新岸田内閣の支持率が改造直前の前回調査(8月5日)から6%下落し51%と過去最低となったのだ。「一連の疑惑を払拭するには、河野太郎デジタル相兼消費者問題担当相が立ち上げる『霊感商法検討会』に期待するしかないだろう」(自民党長老)
世間の耳目を集める旧統一教会問題もさることながら、岸田政権にとって残る4つの問題も軽視できるものではない。
「まず、世論調査で批判が強い安倍元首相の国葬だ。マスコミ各社の世論調査でも半数近くが反対。理由は中曽根康弘元首相を含め、戦後の歴代首相の大半が内閣と自民党の合同葬だった。国葬は敗戦後の日本再建に功績のあった吉田茂元首相のみ。どうして安倍元首相が国葬なのか、その基準が実にあいまい。これは岸田首相が90人以上所属する最大派閥の安倍派に忖度したから。安倍派幹部やシンパがこぞって『国葬』とぶち上げ、逆らえなかったためだ」(自民党幹部)
もっとも、岸田首相サイドにすれば、安倍派の強硬意見に従うことで政権が安定することに加え、世界の要人との弔問外交からパイプができる期待もある。
「オバマ元米大統領が安倍元首相の国葬に参列する意向を示したように、弔問に端を発した外交は活発化する。そうなれば今回、いち早く国葬と決めた岸田首相に猛烈な追い風が吹くはず。もちろん、約2億円の費用がかかる国葬に国民の半数前後が反対しているだけに逆風となる恐れはある。まさに綱渡りの国葬だ」(同)
家計直撃の物価高…
旧統一教会問題や国葬と同様に、侮れないのがコロナだ。「国民は経済と健康面でW被害を受けている。これも対応を誤れば、岸田政権は即アウトだ。というのも、現在、コロナ第7波の真っ只中にある日本は、新規感染者が世界一だからだ」
WHO(世界保健機関)のコロナ感染症統計では、8月の第1週の新規感染者数は日本が約150万人で3週連続世界最多となった。
「2番目に多いアメリカは75万人だから、いかに日本が突出しているかが一目瞭然。世界全体の週間感染者の21%を日本が占めている。医療も〝窒息死〟寸前です」(厚労省関係者)
連日報じられるこれらの3点セットに加え、残る2つの難問もいつ爆発するか予断を許さない。
「東京五輪関連で東京地検特捜部がメスを入れた収賄疑惑事件も、今後の捜査の進展によっては岸田内閣への波及が懸念される。また、家庭の台所を直撃している物価高のダメージも計り知れない」(全国紙記者)
東京五輪関連については、大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者に対する受託収賄疑惑だ。高橋容疑者は紳士服大手の『AOKIホールディングス』からコンサルタント料名目などで計3億円近くを受領していたとされる。
「高橋氏以外にも疑惑の火の粉が大物政治家にも拡大する可能性は十分ある」(捜査関係者)
そして、国民が岸田政権を見限るかどうかの最大のポイントは物価高だ。
「6月の全国消費者物価指数は前年同月比で2.2%上昇し、これで3カ月連続の2%超え。国民にすれば、給料が上がらないのに物価高では生活は困窮する。現状が継続したまま、電力不足も重なれば国民の不満は一気に爆発するでしょう」(シンクタンク関係者)
新岸田内閣は波乱含みの船出となった。
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