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JRA重賞『有馬記念』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

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先週の朝日杯は完敗だった。1、2着の馬券を買っていないのだから話にならない。普段は贔屓の川田が乗った馬(今でも名前が覚え切れん)に勝たれるとは…。先週も記した通り、これで連載開始からの収支はギリギリのプラス。有馬がトータルでプラスかマイナスかの瀬戸際だけに力が入る。本当は障害ファンでもあるので、中山大障害も予想したいが、ここは有馬一本、乾坤一擲!

まず挙げられるのは、すでに引退したアーモンドアイが勝った天皇賞・秋で、差のない2、3着だったフィエールマン、クロノジェネシスということになろう。2頭とも馬連圏外というのは、今年の秋冬芝GⅠの結果を見ても考えにくいが、GⅠ(特に有馬)勝負師・池添に乗り替わるカレンブーケドール、ルメールから福永に乗り替わりなら遜色なしのラッキーライラックも外せない。5頭出走する牝馬の中で一番人気薄のサラキアは府中牝馬Sで万馬券を、エリザベス女王杯2着で好配当をもたらしてくれた今年のわが恩人ならぬ〝恩馬〟なので買わなきゃバチが当たるというもの。鞍上は北村友から松山へ。3冠騎手に乗り替わりなら心配ご無用。有馬は好きな馬、お世話になった馬から虚心に買うのも一つの流儀だ。

もう一頭、〝時事馬券〟としてぜひ加えたかったのがミッキースワローだった。何せ、今年の漢字一語が〝密〟。この字が馬券のキー! だから、〝密〟キースワローでどうだ、と一週間も前から馬友たちに吹聴していたのだが、無念の出走回避とは…。

忘れもしない2008年の有馬記念。山本モナ不倫問題の年だっただけに、アドマイヤ〝モナ〟ークに着目して、ダイワスカーレット本命で、馬連、三連複の大万馬券(馬連29490円、三連複192500円)をゲットし、ノドチンコが見えるほど大笑いしたっけ。そんな幻の穴馬〝密〟キーの代わりは前出のサラキアに担ってもらいたい。モナークはペケ人気だったが、サラキアもおそらく二桁人気。3着までにくれば結構な配当と皮算用。あのときの目が⑬⑭。今年のフィエール、サラキアと同じではないか。歴史は繰り返す? ちなみに、無理くり〝時事馬券〟を探せば、今年のNHK朝ドラが『エール』だったので、フィ〝エール〟マンを暗示しているのかも。

フィエールマン“黒一点”の牝馬固め馬券で勝負!

恒例の映画馬券は、蹴った馬の一頭キセキ。ジャッキー・チェン主演の『奇蹟-ミラクル-』(89年)は、ジャッキーが珍しくアクションよりドラマで見せた良作で、往年のハリウッド名作『ポケット一杯の幸福』(61年)のリメークでもあった。とはいえ、キセキは中山苦手だから無視。買う馬の中で探せばクロノ〝ジェネシス〟から『猿の惑星:創世記ジェネシス』(11年)はどうか。SF映画の金字塔『猿の惑星』シリーズのそもそも話、なぜ人類の文明は滅び、猿が支配者となったか、いわば〝ビギニング〟を描いていた。

この齢になると、ダービーと有馬をあと何回観ることができるのか、と毎年思う。コロナも加齢も乗り越え、あと10回ぐらいは楽に観てやるわいと誓い、来年こそ普通に競馬が楽しめますようにと願いながら、結論を急ごう。まずはクロノ、フィエール、ラッキー、カレン、サラキアの5頭⑦⑨⑩⑬⑭BOXで馬連、3連複を。⑦⑨⑬⑭を厚目で強弱を付ける。よく見れば、フィエールが紅一点ならぬ〝黒一点〟の牝馬固め馬券でもある。強い牝馬好きのボクらしい。残る牝馬ラヴズオンリーユー④もエリ女3着でお世話になったし、仲間外れにしちゃあ悪いので少額で加えて④⑦⑨⑩⑬⑭6頭BOXに。先週『ワンダーウーマン 1984』が公開されたばかり。「強いネーちゃん」の年を締めくくるに相応しい有馬になりますように!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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