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JRA重賞『小倉記念』(GⅢ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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〝無視した馬にヤられる〟ドツボは続くよどこまでも、同じことの繰り返しの夏競馬で、♪あ~、やんなっちゃった…とウクレレ漫談の牧伸二(古い!)のようにボヤキたくなる。

先週のレパードSにしても、「(人気の)上位4頭はアイウエオ順に香港騎手ホーのカフジオクタゴン、川田タイセイドレフォン、藤岡佑ハピ、福永ホウオウルーレットといったところか」と予想しながら、ホーのカフジはどこが嫌われたのか、何と7番人気、単勝2160円の人気薄。ご丁寧にアホな私はソレを切ってしまったら、勝っちゃうんだな、コレが…何てこった。

〝医者の大八車〟で、悪いところばかり回っている気がする昨今。まあ〝大八車〟と言っても、若い人には、分かるかなあ、分かんねえだろーな? とにかくこのままジリ貧で夏が終わるのは何としても避けたい!

未練たらしくレパードSに戻れば、2着は1番人気川田タイセイ、3着は2番人気藤岡佑ハピの決着。こちらはちゃんと買っていた。何のことはない、最初からこの4頭ボックスで買ってりゃ楽勝じゃん、と呻いても後の祭り。そういえば同日開催の札幌エルムSも9番人気の丹内フルデプスリーダーが勝ち、波乱の決着となり、1番人気は先週も勝てなかった。私も重症だが、1番人気も重症化しているなあ。

てなわけで、今週も選べるGⅢが小倉と新潟で並んだ。新潟の関屋記念には長期〝夏休み〟を取っていたルメール大将がスカイグルーヴで復帰する。今年は苦戦している重賞戦線で、いきなり〝テッポウ駆け〟するのか否か興味は湧くし、迷うところなのだが、先週新潟で失敗したので(札幌を選んでもハズれとる!)、〝場替え〟して小倉へ。こちらの小倉記念にはこのところずっと〝追っかけ〟しているモズナガレボシも出ているし、ってことで、♪小倉生まれの玄海育ち~と無法松の歌でも口ずさみながら気分は〝旅打ち〟モード。JRA全10場はもちろんとっくに踏破しているが、最後は小倉だったなあ、と数十年前の想い出にしばし耽ったりして。

8月10日の夜、小倉競馬のアフターに寄ったりした市内の旦過市場が4月に続く火災に見舞われた。今年二度目だけに「すわ、放火か?」と一瞬思ったが、飲食店の油に火が入ったためとのこと。同地にある老舗映画館『小倉昭和館』も消失したとは…映画人としても言葉が出ない。

“映画連想馬券”は『ビバ!マリア』

さて小倉記念、まずの狙いは、前出の荻野極モズナガレボシ。このところ中2、3週の強行軍で結果も出ていないが、何せ昨年のこのレースの覇者である。〝小倉で一変〟は十分可能と思いつつも、これを軸にするほどの度胸はない小心者なので、モズを含めた5頭ボックスにしよう(苦笑)。中京記念で軽視して恥をかいた団野カテドラルを今回はしっかり組み入れる。〝夏男〟だそうだし。〝夏は牝馬〟なら小倉得意の福永ジェラルディーナ、ご贔屓松山騎乗のマリアエレーナも大いに買いたい。迷うのはピースオブエイトだ。前記のレパードSで無視して痛い目に遭わされた香港の名手・ホー騎手騎乗予定だったが、53キロでは乗れないらしく、若手のホープ松本に乗り替わり(ホー騎手はヒンドゥタイムズ騎乗)。まだ2年目だけに、一抹の不安がよぎるが、この10年間で2頭出走の3歳馬がともに2着と連対率10割だから無視できない。初心貫徹で狙おう。

〝映画連想馬券〟は、マリアエレーナから『ビバ!マリア』(65年)を推したい。名匠ルイ・マル監督によるブリジット・バルドー、ジャンヌ・モローの豪華共演によるヒロイン冒険コメディーの快作で、ボクは大好き。女優で映画を観る快感、ここに極まる。アナーキストのマリア(バルドー)が旅芸人一座のマリア(モロー)と〝2人のマリア〟コンビを組んで大受け。折しもメキシコ動乱、2人は革命軍の女闘士となって大暴れするという一席。バルドーとモローが歌って踊ってお色気たっぷり、眼福、眼福。まさしく〝VIVA!〟〝ブラボー!〟と称賛したいほど。

基本的に若い馬中心(カテドラルは6歳だが)。聖奈ちゃんのカデナ、昨年2着のヒュミドール、今度も嫌ってしまったホー騎手のヒンドゥタイムズあたりが来たら諦める。最終的な買い目はスッキリはっきり5頭ボックス②④⑦⑬⑭馬連&3連複。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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