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『テラスハウス』『アメトーーク!』…哀しき“放送禁止”舞台裏

宮迫博之
宮迫博之 (C)週刊実話Web

果たして、出演者の自殺の原因とされる製作陣の指示はあったのか?

『TERACE HOUSE(テラスハウス)TOKYO 2019-2020』は、NetFlix、フジテレビほか、海外でも人気を博した恋愛リアルバラエティー番組、通称「テラハ」。数人の男女がシェアして共同生活する様子を〝台本なし〟というテイでカメラを回し、YOUや山里亮太(南海キャンディーズ)などスタジオにいるタレントがVTRを見ながらガヤガヤする番組だ。2012年に始まった番組はシリーズ化され、19年にはシーズン5に突入した。

だが、昨年の5月23日、番組での態度に対して連日SNS上で誹謗中傷を受けていた出演者のプロレスラー木村花さんが自殺。番組は打ち切られ、収録分はお蔵入りとなった。この騒動の社会的影響は大きく、匿名発信者の特定を容易にする制度改正の動きにつながり、番組制作会社にも怒りの矛先が向けられた。

木村花さんの母親は、炎上の的になった該当シーンは「カメラの前でキレろ」といったスタッフの指示によるヤラセと証言。BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送人権委員会に人権侵害を申し立てたが、第三者委員会は置かれず、フジテレビの検証により「製作側の強要なし」と発表された。

なお年末の12月17日、木村さんをウェブ上で中傷したとして、警視庁が大阪府箕面市の20代の男性を侮辱容疑で書類送検したと発表。調べに対し男性は容疑を認め、「番組以降、彼女の相手に対する態度が許せず、相手になり代わって復讐のためにやった」などと供述したという。

編集スタッフの苦慮が漂った『アメトーーク!』

一昨年の6月に発覚した、吉本興業所属のお笑い芸人による「闇営業問題」は、彼らの冠番組にも影響を及ぼした。宮迫博之がレギュラーを務める人気バラエティー『アメトーーク!』(テレビ朝日系)もその1つで、問題発覚後に各スポンサーが順に降板し、CMはACジャパンのものに急きょ差し替え。さらに、番組公式サイトで観覧募集の一時停止が発表され、この不穏な動きに番組打ち切りが危ぶまれた。

そして6月24日、吉本興業は宮迫、田村亮ら11人の謹慎処分を発表。その後、6月27日のオンエアを見た視聴者は驚愕し、「違和感ありまくり」とネット上で騒然となった。

番組画面で、MCは相方の蛍原徹しか映らず、画面には「この番組は5月30日に収録したものです」というテロップが表示された。蛍原の横にいるはずの宮迫は一切映されず、声もカットされていたのだ。

場面によって一部だけ映り込んでいる宮迫の腕や肩が悲壮感を誘う。さらに画面を2分割し、左半分に蛍原、右半分にひな壇という工夫も凝らされ、編集スタッフの苦慮が漂っていた。

テレ朝側は「当面の間、宮迫の出演を見合わせる」と発表するも、7月19日付けで吉本を契約解消になったため、事実上の降板。番組は今も存続しているが、宮迫が出演した完全版の数本がお蔵入りになっている。

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