今や大御所の女優や歌手たちにも、当然ながら「初々しいアイドル」だった時期がある。彼女たちのオトコ事情を、当時の『週刊実話』の記者たちは、寝る間も惜しんで追いかけていた!
●昭和56年12月24・31日号掲載『男運は悪いけどベッドは最高ヨ』(3)年齢・肩書等は当時のまま
「若い女性のヌードはきれいだし、恥じることはない。きれいなうちに撮っておかなければダメよ。役者になるぐらいだからヒトにみせられないような裸体じゃないだろ」
これは東陽一監督の説で、烏丸せつこも『マノン』で、身長一五八センチ、体重四四キロ、バスト八四センチ、ウエスト五九センチ、ヒップ八四センチの裸身をバッチリみせた。
豊かな胸に、シャワーの水がほとばしって観客はウットリ。
「恥ずかしいから脱げない、なんていえないわよ。アハハハ」
この映画で烏丸は、ヒロインの劇団研究生みつこ役。恋多き女で、劇団教師をはじめ、サラ金会社社長、大学生らと関係をもつ。それでいてあっけらかんとしており、傷つくのは男ども…。
烏丸は、「私の地かな、ウフフ」と意味深に笑っている。たしかに彼女は“恋多き女”だ。
これまでウワサにのぼったのは、荒木一郎とか、朝日新聞の“顔”といわれる筑紫哲也氏、それにツービートのたけし。
「彼らとは、はじめからなにもない。ウワサというよりデタラメよ」とウソぶいてはいるが、一時「わたし、荒木一郎さんには、もうメロメロよ」ともといい、桃井かおりと争奪戦を演じた。
もともと荒木一郎は、女優をくどくのが天才的にうまいといわれ、かつては東映で売り出したポルノ女優を自宅に住まわせたり、うるさ型の桃井かおりの公私にわたるプロデューサーとして、自他ともに認めているほど。
烏丸は、その荒木に接近し、歌の特訓を受けた。
「セリフの発声の勉強にもなるんで、と考えたことが、お近づきになった動機です。非常にやさしく、手にとるように教えてくださったんです」(烏丸)
「せつが、レコードをというので人を介して会ったんだけど、初対面で、これはいけるとイッパツで感じたね。洗練されていないところが魅力だと思った。とくに目がいい。オレは女の子を見るとき、目の表情としゃべり方にポイントをおくんだけど、せつは両方ともバツグン。女優としては一級品、大物になるね」(荒木)
彼女は、初体験のことは「人なみにネ」「なりゆきで」と明らかにしないが、「これまで、男性は三人。いままで付き合った男性は全部好き」とアッケラカン。
「自分でもするわよ。それは、そのときの気分で、スカッとするときもあればいろいろあるでしょ。バストだって、自分でマッサージするわよ」
ひところ、甲斐よしひろとの“仲”もウワサにのぼった。京都でコンサートやっていた甲斐を烏丸が訪ねていったのだ。
そして、テレビ朝日『こちらデスク』のキャスターをつとめる朝日新聞外報部次長の筑紫哲也氏。雑誌の対談で知り合ったのだが、酒を飲む機会は何度もあり、ウワサされた。
その後の雑誌の対談でも烏丸は、「筑紫さんは、結婚して何年になるの? 別れられる? 五十歳近い男が、家庭というか妻と子どもを捨てられるか、聞きたいのよ」と質問している。
烏丸が、何を考えてこんなことを聞いたのか、真意は図りかねるが、このとき筑紫氏はこう答えている。
「んまあ、別れてないんだから別れられないんだろうな」
これを聞いた烏丸は、いたって割り切った発言をしている。
「でしょうね。それが捨てられる人もいるんだよね」
この会話の中に、彼女はどんな含みを持たせていたのだろうか。
ハゲてヨレヨレの背広を着たのがいい
しばらく経ってから、烏丸はこんな告白をした。
「わたしが、いま興味をもっているのは、ツービートのたけしさん。女優・烏丸せつこはいま彼に惚れているの。もう私の胸の中は燃えさかっているの。これから先、どうなるかわからないわよ。映画『マノン』では、兄と妹役だったけど、ひょっとしたら、本当の男と女とのつきあいになるかもよ。私は、それくらい彼に惚れてるわけです」
こうはっきりラブコールされては、たけしもドギマギ。
「烏丸せつこが、オレと“男と女の関係”になりたい?彼女、クラリオンの宣伝やってただろ。あの肉感的なポスターを見たときからウワァ抱きてえと思ってたけどさ。あの映画で共演したころは、彼女、筑紫哲也に傾いた時期だろ。ほかにも荒木一郎とか甲斐バンドの甲斐さんとか、いっぱい男の名前が出てたから、オレのとこまで降りてくるのは、まだまだ先だろな、と思ってたけどな。でもさ、“すみません、やらしてください”というのはね。なにげなく仕事場なんかで声かけてさ、それでなんとなく、そういう関係になっちゃうというのではなくちゃあね」
烏丸の“告白”を聞いて、たけしの妻・幹子さんは、「女優さんから、そんなこといわれるようになって、たいした出世ですね。でも、現実になったら、そのときは、私も大暴れするかもしれないワ」と、心中おだやかではない。
「わたし、相手に妻子があっても、惚れるわよ」と公言する烏丸からは、こんなびっくり発言も飛び出す。
「わたし、いままで好きになった人、ぜんぜん、タイプに統一性がないの。だけど、ぜったいトシ上の人がいい。だいたい五十歳ぐらいの人。だから、街を歩いていても、そういう人にばっかり目がいっちゃうの。もうクセになっちゃった。で、みすぼらしいのがいいの。ハゲていてね、ヨレヨレの背広を着てたりとかさ…」
二十六歳となれば、体も熟れている。
「ムードといい、物言いといい、デビューのころの秋吉久美子にそっくりだ。それに桃井かおりのムードも持っている」(映画記者)
「私、意外と淡白なの」
専門家は、彼女のカラダつきから、こう分析する。
「彼女のバストは、みごとな上向き型。一般的にプライドが高く、ぜいたくで、芸能人に向いているのが、このタイプです。こういう女性は、ベッドで他に類を見ないほどすばらしい。体力も、地位も、財力もある男性が懸命になって、やっとモノにできる女性で、それだけの価値があります」
烏丸本人は、「わたし、意外と淡白なの。一緒にいられるだけで、それで、もう満足」というが、中国相法の風摩人氏は、こう見る。
「彼女は水瓶座。ベッドにおいては“愛”より“欲”を重要と考え、快楽を追求する。だから、愛がなくても、欲望があるなら、ベッドに入ってもよいと思っているのです。一回一回は淡泊であっても、回数は多い。できることなら、毎回、相手を変えたいとも思っています。一度、特定の相手ができても、昔の恋人とベッドを共にするようなこともあります」
CFオーディションのさい、トシを三つサバを読んだり、とにかく、話題が多い。それに「私のベッド・シーンみて、タタナカッタ?」などとも、平気で口にする。
十月二十一日に『JINX・ジンクス』、十月二十一日に『キスミー』のレコードを発売、歌手でもガンバッテいくという。なんとも、たのもしい女性である。
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