片岡鶴太郎が出演していたローカル局の深夜番組『鶴ツル』が、BPO(放送倫理・番組向上機構)で審理入りすることが決定した。
愛媛の「あいテレビ」で2016年にスタートした同番組は、〝ちょっと大人の夜〟をコンセプトに、鶴太郎とフリーの大下香奈アナウンサー、地元の現役住職・福村俊弘氏の3人が酒を飲みながらトークを繰り広げる人気番組だったというが、今年3月に最終回を迎えていた。
BPO公式サイトには、次のように記されている。
《申立人が、番組中での他の出演者からの度重なるセクハラ発言などによって精神的な苦痛を受けたとして申し立てた》
「申立人」は大下アナで、《番組開始当初から苦痛、改善を訴えていたにもかかわらず、放送された他の出演者のトークが、申立人自身に対するものも含めてしばしば性的な内容に関することに及んで申立人に羞恥心を抱かせることで、また、そのような内容の番組の放送によって申立人のイメージが損なわれたことで、人権侵害を受け、放送倫理上の問題が生じた》と主張しているようだ。
一方、あいテレビは、《申立人は番組の趣旨を十分に理解した上で出演しており、申立人からの苦情も2021年11月が初めてで、また、番組の内容も社会通念上相当な範囲を逸脱しておらず、人権侵害や放送倫理上の問題はない》と反論。双方による交渉が持たれたが不調に終わり、BPOで審理入りすることを決めたという。
“昭和の芸人”のお約束
この内容から、「セクハラ発言」をしたのは鶴太郎と推測されるが、キー局のスタッフは彼に同情的だ。
「鶴太郎さんは、今でこそ個性派俳優としてNHKの朝ドラなどにも出演していますが、もともとはゲスな芸風のお笑い芸人ですからね。酒を飲みながらの深夜番組、しかもローカル局ですから、羽を伸ばし過ぎたのかもしれませんね」
お笑い芸人としては〝下っ端扱い〟を受けていた鶴太郎は、そこから脱却するため俳優に転身。ボクシングや絵画、ヨガといった特技も磨き、芸能界で独自のポジションを築き上げてきた。
「ヨガを極めて仙人のようなイメージになってしまっていますが、ご自身の根底にあるお笑いも否定している訳ではありません。直接、番組を観た訳ではありませんが、制作サイドの意図も汲んで下ネタを織り交ぜていたのでしょう。当然、女性の共演者がいれば、そこに話を振ってオチをつけるというのも〝昭和の芸人〟のお約束。ただ、令和の時代では、それをセクハラと言われたら対処のしようがないんですよね」(同・スタッフ)
先日も工藤静香が、とんねるずのバラエティー番組で、女装した石橋貴明のスカートの中に顔を突っ込まれるのが嫌だったと、音楽番組で振り返っていた。
昭和や平成に一斉を風靡した芸人たちにとっては、なんともやりづらい時代になったものだ。
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