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『令和の“応演歌”』岩佐美咲~他ジャンルとの架け橋のような存在に(後編)

岩佐美咲
岩佐美咲 (C)週刊実話Web

――前編では、AKB48を卒業し、ソロの演歌歌手としてスタートするまでを語って頂きました。アイドルと演歌では違う世界のように感じるのですが、戸惑いはなかったですか?

岩佐 アイドルとは何から何まで違ったので最初は戸惑いの連続でしたね。例えば、コンサート。アイドルのコンサートではお客さんは立って応援してくれますが、演歌の場合は席に座っているのにビックリしました。また、AKBでは先輩でも仲良くなれば「〇〇ちゃん」と呼ぶこともありますが、演歌の先輩たちとご一緒すると緊張しすぎて、私なんかが話しかけて良いのかすらも分からなかったんです。でも、同じ事務所の先輩方が会う度に気さくに接してくださるので、安心して仕事ができるようになりました。

――特に仲の良い先輩はいますか?

岩佐 皆さんに良くして頂いているのですが、水森かおり先輩は劇場公演に出演させて頂いたり、ロケ番組をご一緒しているうちに、私が緊張しているのを察知して話しかけてくださるんです。悩んだり、元気がなければ「大丈夫?」と声をかけてくださることもあります。水森先輩は、周りの変化に敏感で、明るくてすごく話しやすい方です。ロケ番組の移動中でも、水森先輩にはつい話しかけてしまいますね(笑)。そして、それを面白がってくれる。水森先輩は大好きですね。

他のジャンルとの架け橋になりたい

――ソロデビュー10周年の記念すべき昨年は、10枚目のシングル『アキラ』をリリースしました。曲名にインパクトがありますね。

岩佐 私も初めて曲名を聞いた時はビックリしましたね(笑)。人の名前が曲名になったのを歌うのは初めてだったので。でも、演歌や歌謡曲では人の名前がタイトルになっている曲は結構ありますし、『アキラ』というタイトルは目を引くのではないかと思ったんです。曲を聴くと、歌詞も予想以上に〝アキラ推し〟でした。耳にも残るのではないかと思います。今回も秋元康先生が作詞を担当してくださいました。内容は、函館でアキラとすごした日々を忘れられず、年に何度も東京からアキラとの思い出巡りに函館へ帰る女性の心情を歌った曲です。舞台の函館でジャケット写真を撮影し、ミュージックビデオも撮影しました。

――今後、目標や挑戦してみたいことはありますか?

岩佐 『アキラ』にしてもそうなのですが、私が歌う曲は演歌の中でも、どちらかと言えば歌謡曲寄りなんです。ですから、普段は演歌を聴かない方でも楽しんでもらえると思います。また、私自身も演歌を本格的に歌うようになってから知った演歌や歌謡曲の名曲はたくさんあります。なので、そういう曲を知って頂けるように他のジャンルとの架け橋のような存在になれたらうれしいですね。

挑戦したいことは、今年3月に演歌ミュージカル『明日に唄えば〜清き一曲お願いします〜』にミュージカル初挑戦で主演を務め、非常に楽しかった。元々、ミュージカルが大好きなのでもっと挑戦していきたいです。他には声を使ったお仕事、声優さんやナレーターなどです。ただし、そのためには、まず演歌歌手としての岩佐美咲の名を多くの人に知って頂き、皆様に口ずさんで頂けるような代表曲に巡り合えれば、と思います。

岩佐美咲(いわさ・みさき)1月30日千葉県生まれ。2008年、AKB48に研究生として合格。12年、AKB48に所属しながら『無人駅』でソロデビュー。16年、AKB48を卒業し演歌歌手一本として活動中。

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