
『プアン/友だちと呼ばせて』
監督/バズ・プーンピリヤ
出演/トー・タナポップ、アイス・ナッタラット、プローイ・ホーワン、ヌン・シラパン、ヴィオーレット・ウォーティア オークベープ・チュティモン
配給/ギャガ
唐突ではありますが、私の弟の奥さんはタイ人です。だから、母国であるスウェーデン映画とかタイ映画に新作が出ると、いつも気になります。
タイ映画といえば、2018年に公開された『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』、あれを見た人はみな、〝ぶっ飛んだ〟と言うほどの秀逸作。巨匠ウォン・カーウァイもこの作品を気に入り、「バズ・プーンピリヤ(別名・ナタウット・プーンピリヤ)監督と一緒に何かをやりたい」と、今回の作品で製作総指揮を務めることが実現しました。確かに、映像の美しさから、カーウァイ作品のテイストを感じます。
主人公は男2人。イケイケでニューヨークでバーを経営する男、ボス。お酒と女を楽しんだ夜、深い時間になると「死ぬ前に頼みを聞いてくれ」という電話が突然、かかってきます。電話の相手は何年も前にタイに戻り、連絡がまったくこなくなった友達のウード。ボスは、少しの迷いを胸に故郷タイへ戻ります。ボスと再会したウードは、白血病で余命宣告されたため、元カノに返したいものがあるから付き合ってくれとボスに頼み、2人は元カノのアリスのところへ向かいます。見ているこっちは涙腺崩壊を覚悟しますが…この3人の過去も色々あって、普通のバケットリスト(死ぬまでにしたいこと)映画とは少し違うかも…!?
残りの人生でやり遂げたいことは…
返したいものがあると言ってた。しかし、それは〝元カノ〟ではなく、実は〝元カノたち〟に、という意味だったんです。そこから、この2人の長い旅が本格的に始まり、クライマックスかと思いきや、もう1つの別の物語が始まるのです。
とてもディープな友情とカッコいい映像美。そして主人公のひとり、ボスを演じてるトー・タナポップが良い味を出してます。カッコ良くもあって、たまに情けなく見えたり、『猟奇的な彼女』のチャ・テヒョンを思い出しました。
残りの人生、何をするかみたいな映画っていろいろあり、私は必ず泣いてしまいます。それはもちろん自分と重ね合わせるから。普通に生きてたって、いつか知り合いや家族とお別れをするときが来る。返したいものや分かち合う思い出、過去の相手でも必ずその人の人生に何かしら影響を与えているはず。それを知ると、とても優しい気持ちになります。もしかして、恨んでいた〝元〟の相手に感謝の気持ちでいっぱいにもなるかも。
人間愛の美しさに酔いながら人生を改めて考えさせてくれる1本です。
LiLiCo
映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。
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