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『「反日謝罪男と捏造メディア」の正体』(ワック出版:大高未貴 本体価格900円)〜本好きのリビドー/悦楽の1冊

『「反日謝罪男と捏造メディア」の正体』(ワック出版:大高未貴 本体価格900円)
『「反日謝罪男と捏造メディア」の正体』(ワック出版:大高未貴 本体価格900円)

11年前、異様な高支持率で門出した鳩山由紀夫内閣。その際、ただ何となく顔が似てるというだけで、にわかに話題を呼んだ「鳩山来留夫」なる芸人をご記憶の向きは果たしていかほどか。

彼と同じ事務所に当時、所属していた筆者。瞬速で終わったブームとはいえ、わずかな絶頂期にイベント営業に同行の上、黒スーツにサングラスの〝MIB〟じみた姿でSPの役をやらされたものだ。無論、仕事を選ぶ余裕も権限もない時分のことながら、個人的にできれば永遠に封印したい黒歴史である。

しかし、振り返れば鳩山・菅・野田と三代続いた民主党政権こそ、日本の国政史上、いな、短く見積もっても戦後屈指の不安に満ちた暗黒の三年だったのは間違いない。「好色一代男」や「白浪五人男」ならまだしも、「反日謝罪男」と聞けばおだやかではないが、今や急先鋒がその元宰相の1人とすればなおさらだ。

元総理の警備担当者に暗涙を禁じ得ない…

オバマ前米国大統領に、とうとう公開の回想録中でも酷評されてしまった鳩山氏。相変わらず中国や韓国にわざわざ出掛けては、先方の一方的な主張を鵜呑みにして、記念碑だの刑務所だのの前で嬉々として土下座してみせる悪趣味街道を爆走の模様で、たとえこの種の国際的徘徊老人だろうと、一応、元総理の格式上護衛の任務を全うせねばならぬ警備担当者が存在すると思うと、その苦衷を察して暗涙を禁じ得ない。

最近やたらとビジネス書を乱発する伊藤忠の元会長、丹羽宇一郎氏も、自社の社員が拘束された過去を無視した手放しの習近平礼讃ぶりが不気味で、新刊の題名は『人間の本性』だが、いや、あなたの本性は?

今年数少ない朗報、朝日新聞が大赤字で社長退任のわけも、本書を読めば丸わかり。

(居島一平/芸人)