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最強芸人インタビュー・千原せいじが全部話す!!〜吉本とのギャラ交渉、不倫騒動、SNS炎上〜

千原せいじ
千原せいじ (C)週刊実話Web

――はじめに、お笑い芸人を志した頃のことを教えていただけますか? 養成所に入った当初など…。

千原せいじ(以下、せいじ)「養成所の頃!? そんなん、もう覚えてないけどなあ(笑)」

――弟の(千原)ジュニアさんと、一緒に入所したわけではなかったんですよね。

せいじ「そうそう。初めNSC(吉本総合芸能学院)に行けば、相方も見つかるもんやと思っていて1人で入ったんです。でも、見つからず。そんなときに、今宮戎の『マンザイ新人コンクール』があって、出場するには相方が必要だったから、とりあえずジュニアを呼んだ。それだけのこと」

――当時、ジュニアさんは自宅に引きこもっていたそうですが、お笑いはやる気に?

せいじ「何かせなアカンとは、思っていたと思いますよ。そのタイミングで俺が呼び出した感じですね」

――ご家族の反応は?

せいじ「いや、激怒してました。京都の田舎出身やから、『芸人なんて!』って、ゴリゴリに差別する。オカンは『浩史(ジュニア)まで誘って芸人やりやがって、この親不孝もんが!』って」

――おお、今ではもう納得されてますよね?

せいじ「いや、何年か前に親父が東京へ来たときに、『せいじ、ボチボチ帰ってきてくれへんかな、市役所で席が1つ空いてるから…』とか後輩相手にボヤいてたらしいから(笑)」

――戻ってきてほしいと。ちなみにご実家を出る前の学生時代はどうでしたか?

せいじ「学生の頃は喧嘩ばっかで、自分は『無敵や!』って思ってました。ただ、相手の単車をこかしてからど突きに行ったり、チャリンコを車道に投げてから戦ったり、動揺してるとこをボコボコにしてましたけど」

養成所の同期はみんな仲良し

――策略的ですね…! 地域的にもヤンキーが多かったんですか?

せいじ「そうですね。僕らの学校は、学費が盗まれないように経理の窓口に鉄格子がついてたり、脱走する奴がおるから有刺鉄線が張ってあったくらいですから。そもそも学校推薦の寮がフィリピンパブの横にあったりして、治安がねえ」

――(笑)。

せいじ「でも養成所に入ってからは落ち着きましたね」

――せいじさんの養成所同期の方々は、『FUJIWARA』さんや『バッファロー吾郎』さんなど実力ある芸人さんが多い印象です。

せいじ「豊作な年でしたよ。同期仲も良くて、NSC終わりによくカラオケに行ったり、楽しくやってました。でも30年経って、今その話をすると、みんな当時の記憶がすり替わってるんですよねえ。例えば、フジモンが『ジュニアはめっちゃ怖かった〜』って言い回ってるけど、いや、仲良くしとったやんって話で。刷り込み、思い込みが酷い!」

――当時のジュニアさんは〝ジャックナイフ〟だったと伝説になってますが…。

せいじ「それも単にイジられてたのが、事実みたいになってるだけよ。1人で尖ってたわけじゃないから」

――それは衝撃ですね。ほかにも、昔は関東と関西の芸人がバチバチに確執があったという話などは?

せいじ「それも誰かがサービストーク的に触れ回ったんやと思いますよ。あいつと俺がちょっと喧嘩したなって話を、東京と大阪が仲悪いっていう発想で語って」

――真実ではない話が広まっていたんですね…。その後は、皆さん『心斎橋筋2丁目劇場』を中心に活躍されていきます。

せいじ「今でも思いますけど、あそこはええ箱でしたね。ただ、最初は客が3人だけって日もあってね。しかも3人でも満タンでもギャラは絶対500円で変わらなかった。なんちゅう酷い会社やと思って!」

「ずーっと後ろの車に付けられるねん」

――おお、時代ですね。

せいじ「それで会社に抗議したんです。そしたら、やっと800円に値上げした!」

――(笑)。吉本さんのギャラの話はよく聞きます。

せいじ「それこそ当時は、今は亡くなられてしまいましたが、先輩芸人の『ベイブルース』河本(栄得)さんと一緒に、ギャラを上げろと会社に直訴したんですよ」

――ベイブルースさんといえば、伝説の漫才師として語り継がれているコンビです。親しくされていた?

せいじ「そうですね。河本さんとはよく飲みに行っていました。家庭のこととか、ここでは言えないような相談にも乗っていて。いろんな問題を片づけて、さあこれからってときに亡くなられてしまった。あのときは本当に神様を恨みましたよ」

――そうだったんですね。

せいじ「1つ年上で、お笑い以外でのプライベートな付き合いも多い先輩でしたし。当時はそこまで先輩芸人と深く絡むことも、そうなかったんでね」

――なるほど。当時、ほかに印象深い先輩は、どなたかいますか?

せいじ「今田(耕司)さんは、一緒になると緊張しました。場がピリッとするというか」

――ちょっと意外ですね。

せいじ「あと『ダウンタウン』の松本(人志)さんと初めて会ったときのことは覚えてますよ。『バッファロー吾郎』の竹若(元博)と俺が住んでた家に、新喜劇の吉田ヒロさんから突然電話がかかってきて『今、松本さんといるんやけど、ずーっと後ろの車に付けられてるねん。どないかしてくれ』と言われて。だから、家の近くを通ってもらって、後ろから来た車をバッて前に立って止めたんですよ」

――ええ、すごい!

せいじ「そこが初めてで。あとあと、ちゃんと番組で会って挨拶しましたね」

――やはりそういう先輩に挨拶する際は緊張します?

せいじ「んー、売れてる人は余裕があるから、世間がいうほど威圧的じゃないのよ。優しい方が多い。それこそサービストークで『あの先輩は怖い』とか言えばいいんでしょうけど、それが変換されて他所で何いわれるか分からないから」

取材は言葉を選んで発言

――SNSですぐ広まってしまう時代ですよね。

せいじ「今はちょっとのことで叩かれるやん。正直、こういう取材もめちゃくちゃ言葉選んでますよ(笑)」

――以前、文春砲の不倫報道で直接突撃されてたこともありましたよね。

せいじ「あれは俺が文春に喧嘩売ったら、ほんまに突撃してきてん! コソコソ嗅ぎ回らんと堂々と来たらええってテレビで言ったら」

――でも、文春砲をくらっても、せいじさんらしく対応したことで、マイナスなイメージを受けていないところがすごいかと。

せいじ「そもそもやけど、俺が誰とSEXしたかなんて、興味ある!? そこよ。誰も気にせん話やろって!」

――(笑)。

せいじ「ほんまの俺はもっと好き勝手しゃべりたいこといっぱいあるけど、嫁と子供を攻撃してくる馬鹿がおるからな。気を付けてる」

――YouTubeなどに、荒らしは来ますか?

せいじ「くるくる! 暇な奴らが。まあ、俺に対しての批判はええけど」

――ですが、投稿している動画もかなり攻めてる内容が多いですよね。

せいじ「そこに関しては、俺自身がホンマのことを知りたいトピックを投稿してるだけよ。例えば、最近だったら、ロシア、ウクライナ。いま日本のニュースで、ロシアのスーパーには経済制裁で物が売っていないって映像が流れてる。だけど、ロシア人に聞いたら、あれが戦争前からデフォルトなんやって(笑)。日本は嘘情報に振り回されてるのよ」

――ええ、知らなかった…。

せいじ「あと、先月ガーナで聞いたのが、カカオの実を収穫してる子供たちが、何の材料になるか知らないで取っているっていう話が有名だけど、あれも嘘。現地のコーディネーターが演出で昔仕込んで、嫌な仕事だったって泣いてたわ!」

――ショックです。ちょっと騙されてた気分ですね…。

せいじ「それってさ、恐ろしない? だから単純にホンマの話を知りたいんですよ」

――なるほど。今後せいじさんのYouTubeではどんなことを?

せいじ「自分ではできないこと、できない発想に気付いてる人にめちゃくちゃ興味があるんですよ。これからは、そういった人と積極的にコラボがしたいですね」

(文/kitsune 企画・撮影/丸山剛史)

千原せいじ
1970年、京都府出身。高校卒業後にNSCに入所し、弟の浩史とお笑いコンビ『千原兄弟』を結成。数々の漫才コンクールで受賞したほか、物怖じしない性格を武器に、国内、国外問わずロケ番組で活躍している。現在は自身のYouTube『せいじんトコ』を更新中。

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