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殺虫剤業界の常識が覆った~ニッポンを支える「隙間ビジネス」舞台裏

「隙間ビジネス」舞台裏 (C)週刊実話Web

殺虫剤業界最大手のアース製薬が3000円の新商品を市場に投入した。一体これは高いか安いか。

「同社が『虫ケアの常識を変えます』と力説しているのは、今年2月に発売した『ゼロデナイト』です。多くの製品が単価1000円前後の殺虫剤市場で、その3倍という強気の価格設定でしたが、発売から約2カ月で出荷額は計画比3倍超えという盛況ぶりです」(流通ライター)

殺虫剤も進化したが…

売れている理由は「長期間の予防」で、一度使えば1年間、コバエやムカデなど50種類以上の害虫から部屋の中を守ることができる。殺虫剤の中でも「空間・対物用」の製品は、虫に向かって噴射する「直接用」と比較すると、直近2年間の成長率は2倍以上にもなるという。

長期間の予防を実現したのは「テネベナール」という有効成分。家庭用の殺虫剤に新しい有効成分が導入されるのは、実に半世紀ぶりのことだ。

ただし、思わぬ逆風も吹いている。6月末からは猛暑が襲来し、気温が35℃を超えて蚊の活動が鈍くなった。7月に入ると戻り梅雨にゲリラ豪雨が日本を襲い、各地で「蚊がいない夏」となっている。

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