7月19日、日本フィギュアスケート男子の第一人者で、2大会連続オリンピック金メダリストの羽生結弦が〝プロ転向〟を宣言した。事実上の引退表明である。
「理想とするフィギュアスケートは、競技会じゃなくてもできる」
会見でそう説明していた羽生。
しかし、今回のプロ転向表明では「語られなかった真相」がいくつかある。その1つが、今後の詳細な活動内容だ。
「競技大会に出ない、でもフィギュアスケートは続けていくということは、アイスショーをメインに活動していくのでしょう。浅田真央のようになると思います」(テレビ局員)
海外選手を育てるということも…!?
しかし、〝浅田スタイル〟を踏襲するだけではないようだ。表彰台を逃した今年2月の北京五輪後、一部のスタッフには意味深なことも語っていた。「本気で1位を目指す人の手助けもしたい」と――。
「コーチ業にも興味があるみたい。スケート教室のように和気藹々とスケートを楽しむのも好きですが、真剣勝負の緊張感がイヤになって競技大会から退いたわけではない。自分がたくさんのスタッフに支えられ、金メダルという共通の目標に向かって頑張っていくのが好きなんです」(関係者)
「羽生に教わりたい」と思うスケーターは、ごまんといるはず。だが、日本人選手の場合、活動拠点とするスケートリンクや在籍する学校などとのしがらみもあって、所属コーチをドライに変更することはできない。
「仲のいい海外選手も多いですからね。案外、ロシア選手を指導するかも」(スポーツ協会担当記者)
高度な羽生のスケート技術が海外に流出してしまう可能性も指摘される。
「スケート連盟の新シーズンのホームページが更新されたのは7月1日。その時点で羽生の名前とGPシリーズ出場の予定も記載されていたんですが…」(同)
連盟は早くから今回のプロ転向を知らされていた。それでも、羽生の名前を記載したのは、海外にも混乱を与えかねないと判断したからだろう。競技大会を退いても、影響力の大きさは変わらない