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岡山発砲事件「初公判」実行犯の狙いと検察の“矛盾”

弘道会・野内正博若頭(左) (C)週刊実話 無断転載禁止

7月19日、六代目山口組(司忍組長)の中核組織である弘道会・野内正博若頭の野内組に所属する近藤輝雄組員の公判が、岡山地裁で幕を開けた。

事件が起きたのは一昨年12月。当時は神戸山口組(井上邦雄組長)・三代目熊本組傘下で、岡山県倉敷市内にある三代目藤健興業の組事務所内に向けて銃弾5発を発砲し、天井や壁を損壊した建造物損壊と銃刀法違反(加重所持、発射)などの罪に問われた。

2020年12月に銃撃を受けた二代目若林組・横森啓一副組長の事務所(C)週刊実話 無断転載禁止

近藤組員は一部を否認。弁護側も拳銃所持は争わないとしたものの、「撃った場所は事務所の中で、規制される場所ではないので発射罪には当たらない」と、銃刀法違反の発射罪については無罪を主張した。

発射罪は「多数の者に供される場所での発射」を禁じるもので、検察側は「撃ったのは玄関先で周辺には小中学校や公民館などがあり、多くの車両や歩行者が通行する場所だった。発射罪の要件を満たしている」と反論。拳銃を発砲した場所が「事務所内」なのか、ドアを開放した「玄関先」なのか、が争点となった。

「カチコミに来たなと思った」

検察側証人として、発生当時、事務所内にいた当番組員2人が出廷。「見たことがない人が玄関にいて、カチコミに来たなと思った」などと証言したが、拳銃を発砲した場所に関しては特定されなかった。

銃撃を受けた事務所で警戒にあたる捜査員(C)週刊実話 無断転載禁止

「近藤組員は事件後、銃刀法違反のほか殺人未遂容疑でも逮捕されたが、検察側は起訴できなかった。さらに近藤組員の指示で車を運転していた野内組の林雄司組員も同容疑で逮捕されたが不起訴となり、今年6月に井上邦雄組長宅を銃撃している。だから検察側は、どうしても近藤組員を罪が重い発射罪をつけたいのだろう。裁判の本筋とは違う目的があるのが透けて見え、矛盾を感じざるを得ない」(傍聴した記者)

7月21日には被告人質問が行われ、近藤組員が法廷で犯行の動機を明かした。

「中に入って撃つことで相手を傷付けなくても恐怖を与え、大きな効果を得られると思った。六代目側に戻ってほしいというメッセージだった」

当時、三代目熊本組の若頭だった横森啓一組長は、事務所2階の住居で就寝中だったという。

二代目若林組・横森啓一副組長(C)週刊実話 無断転載禁止

近藤組員は当初、神戸山口組舎弟頭補佐で横森組長の親分に当たる藤原健治組長(引退)の自宅や、三代目熊本組本部の襲撃も計画。林組員が運転する車で下見を続けたが、ガードが厳しく「中で銃撃するのは困難」だと感じて断念したという。

横森組長らは三代目熊本組を離脱し、のちに六代目側・二代目若林組(篠原重則組長=香川)に移籍。現在は若林組の副組長に就き、熊本組を名乗っている。

野内組の北村和博若頭と西川純史舎弟頭補佐も傍聴に駆け付けた裁判は、9月に論告求刑、12月に判決が予定されている。

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