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『初任給42万円』サイバーエージェント“裏のカラクリ”に批判殺到「大丈夫か?」

Ivan Moreno sl
(画像)Ivan Moreno sl/Shutterstock

インターネット広告やゲーム事業を展開するサイバーエージェントが、2023年春の新卒入社の初任給を42万円に引き上げることを発表。22年春入社の社員と比べて2割を超える大幅な増額となり、注目を集めている。

人材獲得競争が激化する中での同社の経営戦略は、ネット上でも大きな反響を呼んでいる。

《初任給42万円って俺の給料より高いんだけどw これは応募者殺到するだろうな》

《これはいいニュースだね。優秀な人材を集めようと思ったら企業も金を出さないとね》

《これは羨ましいなぁ。うちの会社なんて初任給20万円切ってるんだけど…》

地政学・戦略学者の奥山真司氏も、7月26日に出演したニッポン放送『新行市佳のOK! Cozy up!』で、「ITは人材不足。上げられるところは上げて、これで経済を回して欲しい。僕自身はすごくポジティブに捉えています」と評価していた。

「月80時間」の残業代込み

ところが、ネット上に「初任給42万円には月80時間の残業が含まれている」と指摘する声が上がり、物議を醸しているのだ。

《サイバーエージェントさんが初任給を42万円にしたことが話題だったので募集要項をみてみたところ、固定残業代「時間外80.0時間/月、深夜46.0時間/月」込みの金額のようですね。ざっと計算してみたところ、42万円の内訳は「基本給24.8万円。固定残業代17.2万円」でした》

《怖っ。これだけの時間外が折り込まれた初任給とか全然嬉しくないわ!》

《これはエグい。実際こんなに残業してその給料ならそこら辺のメーカーと変わらないじゃん》

《36協定特別条項で720時間/年が残業の上限だから、この固定残業代はアウトだね。マジで大丈夫か?》

《ほんとだ。36協定破る気満々とみた。しかも裁量労働制もあるとか長時間残業前提じゃん》

初任給42万円を年収換算すると504万円。これに「ボーナス」が付けば、いきなり年収600万円台も夢じゃない。学生へのインパクトは強いが、労働条件を見る限り、かなり過酷と言わざるを得ない。

「同社の社員の平均勤続年数は6.3年です。居心地がよければ、そんなに早く転職することはない。これなら、優秀な学生は福利厚生が充実している大手企業を選ぶでしょうね」(経済ジャーナリスト)

いくらカネを積もうが、サイバーエージェントに優秀な人材が集まる可能性は低そうだ。

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