社会

イーロン・マスク氏のビジネスは時代遅れ?『ツイッター』買収“突然の撤回”の裏側

(画像)Sergei Elagin / Shutterstock.com

電気自動車(EV)メーカー『テスラ』や宇宙開発企業『スペースX』の創業者であるイーロン・マスク氏は、従来の枠にはまらない有言実行の実業家としてその名を世界に轟かせており、今年4月には大手SNS『ツイッター』の買収および役員就任を発表して、またしても大きな話題を振りまいていた。

しかし、7月8日にマスク氏が、ツイッターの買収契約を一方的に打ち切ると表明。それに対して同社側が12日、登記上の本社を置く米デラウェア州の裁判所に買収取引の履行を求める訴えを起こし、事態は泥沼化の様相を呈している。

「マスク氏の〝本丸〟であるテスラの経営状況が、どうもよろしくありません。実は今年5月、マスク氏はテキサス州とドイツ・ベルリン近郊に建設した新工場が、火の車であることをインタビューで漏らしています。加えて、中国の上海工場がロックダウンなどの影響もあり、大幅に生産台数を減少させています」(自動車評論家)

このまま離れてしまうのか…

ここ数年のテスラは、廉価版の車種を中心に中国製の電池を搭載しており、顧客が求めているパワフルな加速を実現できていない。また、電池の劣化が早く、かつ発火事件なども多数起きており、世界中でじわじわとテスラ離れが起きているという。

「昨年までのEVブームは一過性のものでした。今や自動車メーカー各社は、100%のEV化は絶対に無理というスタンスに急ピッチで切り替わってきている。テスラにとっては完全に逆風です」(同)

マスク氏のツイッター買収撤回宣言はパフォーマンスにすぎないのか? それともEVブーム終了のホイッスルとなるのか? いずれにしてもツイッターは、ビジネスの交渉相手を間違えたようだ。

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