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六代目山口組直参・田保伸一会長の通夜で司忍組長が見せた「分裂終結への覚悟」

六代目山口組・司忍組長(C)週刊実話 無断転載禁止

また一人、六代目山口組(司忍組長)の直参が、この世を去った。7月13日、石川県に本拠を置く若中の田保伸一・二代目昭成会会長(享年73)が死去したのだ。

「ずっと闘病しとって、所属する中部のブロック会議にも、今年に入ってからは姿を見せとらんかったそうや」(関西の組織関係者)

田保伸一会長(C)週刊実話 無断転載禁止

六代目山口組では、昨年6月、田岡一雄三代目時代からの直参である岐阜の川合康允顧問(川合組初代)が亡くなり、今年3月には〝北の重鎮〟と呼ばれた北海道の鈴木一彦舎弟(旭導会初代)が死去。いずれも激動の時代を生き抜いた直参で、田保会長も渡辺芳則五代目時代における最後の直参昇格者として活躍した。

田保会長の本葬儀は7月15日に営まれ、全直系組長(一部代理)が石川県金沢市に集結。これを受け、石川県警は斎場周辺やJR金沢駅などに防弾チョッキを着込んだ捜査員ら総勢50人を配置し、斎場の出入り口にもゲート式の金属探知機を設置するなど厳戒態勢を敷いた。

田保会長の通夜・葬儀を監視する捜査員(C)週刊実話 無断転載禁止

髙山清司若頭をはじめ最高幹部らが早々に到着すると、午後3時ごろ、執行部メンバーが出入り口に一斉に姿を現し、出迎えの態勢を整えた。捜査員らもさらに警戒を強める中、前後をガード車両で固めた黒塗りの高級セダンが到着。喪服姿の司六代目が降り立ったのである。

本葬儀は予定より早く開始されたとみられ、午後5時すぎには直系組長らに見送られて帰途に就いた。

青山千尋舎弟頭(左)と竹内照明若頭補佐 (C)週刊実話 無断転載禁止

翌16日には葬儀・告別式が営まれ、中部ブロック長を務める竹内照明若頭補佐(三代目弘道会会長=愛知)を筆頭に、同ブロック所属の直系組長らが参列。昭成会が六代目山口組直系の一会の系統であるため、野村孝舎弟(三代目一会会長=大阪北)が姿を見せた他、弘道会からも野内正博若頭らが弔問に訪れていた。

弘道会・野内正博若頭(左) (C)週刊実話 無断転載禁止

金沢を本拠に勢力を張った昭成会は、山口組の北陸進攻に貢献した旧福島組の流れをくみ、福島三郎組長は初代一会から直参に昇格していた。平成元年5月の五代目山口組体制発足と同時に引退し、地盤を引き継いだ中野保昭会長が昭成会を結成して直参に昇格。中野会長の右腕となって支えたのが、田保会長だった。

平成17年3月、中野会長が病死したため、田保会長が二代目を継承。5月に直参昇格を果たし、その2カ月後、司六代目体制が発足された。石川県唯一の直参として、五代目時代の終盤から約17年もの間、組織に尽力したのである。

そんな田保会長の死は、六代目山口組に深い悲しみを与え、本葬儀に参列した司六代目の表情も固かった。

「まだ、神戸山口組(井上邦雄組長)との抗争が続いとるからな。共に戦ってきた直参が一人、また一人と亡くなるんは耐え難いことやろな」(ベテラン記者)

(C)週刊実話 無断転載禁止

しかし、斎場を出て車両に乗り込む直前、司六代目は打って変わって引き締まった表情を見せた。

「目の前に分裂という現実がある限り、悲嘆に暮れてばかりもおれんはずや。六代目体制で起きた問題は自身の代で終わらせる…。その覚悟の表れやと思うで」(前出・関西の組織関係者)

引き揚げる直系組長らの背中からも、分裂終結への闘志がうかがえたのである。

北島虎組長(C)週刊実話 無断転載禁止

最高幹部が明かした胸中

一方、「山口組新報」の第26号が配布され、注目を集めた。今回は竹内若頭補佐が巻頭言を綴り、分裂問題にも言及したという。

「山口組の歴史を改めて振り返り、現状に触れとったと聞く。田岡三代目が横行する不良外国人から地域を守り、その後に警察当局による頂上作戦の煽りを喰いながらも、『ヤクザとしてしか生きられない者の受け皿』として立ち続けたこと、さらに竹中正久四代目は一和会との山一抗争を戦い抜いたことを挙げたそうだ。先人の血の滲むような尽力があったからこそ、山口組は日本一の組織として君臨していると。創設百周年を迎えた平成27年に13名の脱落者を出し、司六代目の気持ちを察すると断腸の思いに苛まれる日々だと心情を綴ったらしい」(山口組ウオッチャー)

その上で「本来あるべき姿」に戻り、業界の共存共栄を目指していくべき、とも書かれていたという。

「竹内若頭補佐の弘道会からは複数のヒットマンが出ており、分裂抗争で最前線に立ってきた。新報で胸中を明かした背景には、終結への強い決意があるからに違いない。それだけに、今後も〝戦闘部隊〟が現れる可能性はあるだろう」(同)

大同会本部に「使用差し止め」の仮処分命令

だが、抗争が激化するのに比例して、警察当局の締め付けも強まっている。

7月9日、鳥取地裁米子支部が、森尾卯太男本部長率いる大同会本部(鳥取)への使用差し止めの仮処分命令を出したのだ。

一昨年5月に起きた大同会最高幹部による池田組(池田孝志組長=岡山)若頭への銃撃事件を受け、鳥取県米子市をはじめ岡山市、島根県松江市、愛媛県四国中央市が特定抗争指定の警戒区域に定められた。のちに岡山市は解除となったが、米子市にある大同会本部を巡っては、今年3月、暴追センターが使用差し止めの仮処分を申し立てていた。

「今回の決定は、特定抗争指定が解除されたあとも本部の使用が禁止されることを意味する。当局主導の流れであるのが透けて見える。六代目山口組直系組織の本部だけに、少なからず痛手を与えた格好だろう」(業界ジャーナリスト)

六代目山口組では、兵庫県神戸市にある五代目山健組(中田浩司組長)本部にも6月、神戸地裁によって使用を禁じる仮処分命令が出されており、締め付けが一層強まっている。

「いざとなったら、当局は六代目山口組の本丸である総本部にも、同様のことを仕掛けるかもしれない。敵対組織への攻撃を強める六代目側にとって、分裂終結には常にリスクが付きまとう。だからこそ、一気にカタをつけるような戦略を練って、慎重に事を進めていくのではないか」(同)

6月5日には、神戸山口組トップ・井上組長の自宅に17発もの銃弾が撃ち込まれた。これが何らかの前触れだとすれば、六代目側が〝最終攻撃〟に打って出る恐れもある。

六代目山口組・薄葉政嘉若頭補佐(C)週刊実話 無断転載禁止

刻一刻と緊張が高まる中、7月17日、六代目山口組は親戚団体である双愛会・椎塚宣会長(千葉)の誕生祝い訪問を行い、薄葉政嘉若頭補佐(十一代目平井一家総裁=愛知)らが双愛会本部に駆け付けた。

それは、分裂終結を見据え、業界の平和共存を目指しているからに他ならない。

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