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JRA重賞『中京記念』(GⅢ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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先週の函館記念は、先々週の七夕賞のリピートを観ているようだった。何故って、1着が無視した馬だったから。「うわっ、浜中かよ!」と、同じように呻いた、というオソマツ。

穴と狙ったアラタは、何と2番人気に押し上げられていた(一時は1番人気!)。函館巧者が買われての過剰人気なのだろう。私も買った1人なのだから何にも言えない。同様にスマイルも5番人気は高過ぎ。サトノクロニクルだけは10番人気と相応に落ち着いてくれたが、11着と着順も相応であった、というオチが付く。

そんなわけで今週だが、日曜重賞はナツコクの中京記念だけで、選択肢はない。で、このレースが荒れるんだなあ、それもハンパなく。一昨年の勝ち馬は〝あっと驚く〟メイケイダイハードで、18番人気(要するにペケ人気)の激走であった。近10年でも、3連単の配当が〝ン10万〟というのがゴロゴロ。今回も、16頭出走だから、もう1から16までの数字を紙に書いて裏返し、シャッフルして5枚くらい選んだ方が当たるんじゃないか? と思うほど。いっそ、今週はパスしたいほどだが、重賞レースを素通りするのは競馬ファンの矜持が許さない、と勝手な理由を付けちゃあ、買うわけよね。

ねえ、ご同輩。自慢じゃないが、こちとら競馬を始めて約50年、海外に行ってて買えなかったとき以外は日曜重賞を買わなかったことは、多分一度もなかったような気がする。治癒し難いね、こりゃ。

今週も懲りずに穴狙い。正直言って何が来るか判らないのだから、手広く行こう。まず七夕賞でも狙ったモズナガレボシは、中1週の強行軍で心配だが、戸崎より地味な荻野極に乗り変わるし、前走(4番人気)よりも確実に人気を落とすはずで、今回こそオイシイかもしれない。何しろ昨年の小倉記念勝利があるのが心強い。西村ベレヌスは小倉巧者だが、先週の函館巧者アラタみたいな過剰人気にはなりそうもない。鞍上も地味だし(でも西村淳はローカル巧者だぞ)。杉山晴厩舎はこの馬と人気の一角となろうデムーロのミスニューヨークが出走する。〝2頭出しは人気薄の方を〟はあまりにも有名な競馬格言の1つでもある。牝馬が2頭出走するが、こちらもミスニューヨークを後回しにして、人気薄の福永シャーレイポピーを選択。実は、福永はこのレースに強い(何と、過去10年馬券圏内5回!)。

競馬場の“流れ者” モズナガレボシに注目!

上記穴馬3頭に、前出のミスニューヨーク、同じく人気の一角となろう川田ファルコニア、幸ダブルシャープを相手に選ぼう。昨年2着で人気になりそうな団野カテドラルは、リピーターの少ないこのレースだし、そもそもそのときの鞍上は福永であった。私の予想の基本は「騎手重視」なのである。今村カデナも期待の新人騎手に乗り替わり。私も彼女の才能を支持しているが、今回、鞍上の魅力に加え、坂路一番時計も出したし、意外と人気になるかも。でもトップハンデ&8歳だし、いかにも買いにくい。

〝映画連想馬券〟は、モズナガレボシは七夕賞で『紅の流れ星』を取り上げたが、同じく渡哲也主演の『東京流れ者』を〝ナガレ〟つながりで(?)選んでみた。当時のヒット曲の映画化だが、鬼才・鈴木清順監督がカラフルで斬新なミュージカル・アクションに仕立てた。渡扮するヤクザの〝不死鳥の哲〟が東京、新潟、北九州と流転するのだが、モズナガレボシもまた4走前が中京、3走前が新潟、前々走が東京、前走が福島、そして今回が北九州・小倉ということで、映画のナガレ先と酷似しているではないか。重賞を勝ってる小倉で再び「男になれや!」とテレビ桟敷でダミ声で全力応援だ!

さて最終的な買い目だが、選んだのは全部で6頭。馬連&3連複ボックスで買えば話が早いのだろうが、それじゃあ妙味がないので(前週で多く買い過ぎた反省も込めて。ボックスは基本5頭まで)、まず穴候補3頭⑧⑩⑭の馬連ボックス&3連複、各々から人気サイド3頭②④⑮へ馬連が基本線。3連複も⑧⑩縛り、⑧⑭縛り、⑩⑭縛りで、各々②④⑮へ。いずれにしても肩の力を抜いて、イレ込まず、観覧料代わりの合計22点かな?(算数苦手)。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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