「巨人のエースを長く務め、メジャーリーグで現役生活を終えた桑田氏は、早稲田大学大学院でスポーツの研究にあたり、その後も東京大学野球部では特別コーチ、スポーツ庁では参与に就いた。その見識に、オリックスの宮内義彦オーナーも一目置いているという。長期的な視点でチームを託せる数少ない指導者だと。長年期待していた〝あの人〟の招請を諦め、次善の策に切り替えたようだ」(前出・デスク)
そのオリックスだが、実はこの20年間で延べ12人の監督が就任している。この間、大石大二郎、森脇浩司、福良淳一監督がシーズン途中で休養や辞任をしたほか、今季も8月に西村徳文監督を事実上解任し、中嶋聡二軍監督にスイッチしたばかり。いずれも肩書は「代行」にとどめている。
「そこには、宮内オーナーの『次こそイチロー監督』の強い願いが込められていた。しかし、来季もイチローは現職のマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターに留まることが分かり、招請が難しいと判断、抜本的見直しに着手した」(同)
シーズン終盤のオリックスは〝舞洲バファローズ〟の異名を持つ。中嶋監督代行が二軍の本拠地のある舞洲スタジアム(大阪市此花区)から昇格させた2年目の太田椋、宜保翔内野手などの若手を中心に据え、桑田氏を迎え入れる環境を着々と整えているためだ。
最も優勝から遠ざかっているオリックス
また、オリックスは防御率と奪三振でリーグ1位の山本由伸を筆頭に、日本代表クラスの山岡泰輔、田嶋大樹らが揃い投手陣は充実。打率リーグ1位の吉田正尚、メジャー282本塁打のA・ジョーンズ、国内屈指の長距離砲であるT-岡田らが先発陣を援護できるようになって9月は勝ち越すなど、今の勢いはリーグ屈指だ。ここに桑田氏の野球理論が加われば、来季は優勝候補の一角に躍り出ることができる。
「桑田氏は昨年1月、PL学園野球部復活へ向けて同高野球部OB会長に就任しました。同高には立浪和義、宮本慎也、松井稼頭央、福留孝介氏らのOBがおり、PL勢力再興の旗頭である桑田氏への協力は惜しみません。彼らはそれぞれ中日、ヤクルト、西武、阪神の将来の幹部候補。各球団の監督選定の際には入閣の可能性がありますし、オリックスへの人材供給も可能。1996年を最後に12球団で最も優勝から遠ざかっているオリックスですが、桑田氏が入閣すれば一気に〝確変の可能性〟を秘めています」(在阪記者)
一方で、巨人の菅野智之が今オフにメジャーに転身する可能性もあり、日本球界のエースがオリックス山本に代替わりすることから、巨人がオリックス・桑田監督誕生を斡旋する裏には将来の〝FAの布石〟との見方もある。日本シリーズの球場決定には、両球団の思惑が入り交じるのだ。
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