オリックス・バファローズ監督に桑田真澄氏が就任か!?

巨人の日本シリーズ開催球場が「京セラドーム」に内定し、オリックス・バファローズとの〝蜜月〟が明らかに。そんな中、囁かれているのが、あの桑田真澄氏の「バファローズ監督就任」だ。サプライズ選定の裏には読売グループの深謀遠慮があった――。

今季の日本シリーズは11月21日に開幕する。第1、2、6、7戦がセ、第3~5戦がパのホームとなる。

リーグ優勝確実となった巨人が何より頭を痛めていたのが、開催球場問題だ。新型コロナウイルスの影響による日程変更で、都市対抗野球の先約があるため本拠地の東京ドームが使用できず、日本野球機構(NPB)から代替球場決定を求められているからだ。

「その難題も、オリックスの本拠地球場、京セラドーム開催が内定し、一件落着の運びとなった。巨人の親会社・読売新聞社は大阪にも本社があり、例年、京セラドームで主催試合を実施するなど興行面でも実績がある。しかも、2014年と15年には亀井善行が2年連続のサヨナラ本塁打を放つなど、過去の主催32試合中6試合でサヨナラ勝ちを収め、通算でも19勝13敗と相性もいい。新聞販売の戦略面でもメリットが大きく、違和感はそれほどない」(スポーツ紙デスク)

10年先まで巨人監督の椅子は埋まっている

見逃せないのが、巨人とオリックスの急接近だ。ここに来て巨人はコロナ禍に端を発する球団スリム化に向け、他球団でなら出番が期待できる余剰戦力のトレードを積極的に推進しているが、それは選手だけにとどまらない。コーチ陣やスタッフの人数削減とコーチ待ちOBの雇用創出も視野に入れているというのだ。

その延長線上に透けるのが、オリックスの次期監督問題である。巨人は原辰徳監督の後継者に阿部慎之助二軍監督を予定しており、その先には松井秀喜氏の担ぎ出しや高橋由伸前監督の再登板が予想され、およそ10年先まで巨人監督の椅子は埋まっている。

「結果として監督就任が極めて困難になったのが桑田氏です。巨人は桑田氏の入団時に将来の監督手形を切っていたとの情報も伝えられており、読売首脳にとっても大きな禍根になりかねません。そこで浮上したのがオリックスへの『桑田監督斡旋案』。日本シリーズの開催球場が京セラドームになったのは、大阪出身の桑田氏の売り込みとリンクしているようです」(巨人OBの野球解説者)

「巨人のエースを長く務め、メジャーリーグで現役生活を終えた桑田氏は、早稲田大学大学院でスポーツの研究にあたり、その後も東京大学野球部では特別コーチ、スポーツ庁では参与に就いた。その見識に、オリックスの宮内義彦オーナーも一目置いているという。長期的な視点でチームを託せる数少ない指導者だと。長年期待していた〝あの人〟の招請を諦め、次善の策に切り替えたようだ」(前出・デスク)

そのオリックスだが、実はこの20年間で延べ12人の監督が就任している。この間、大石大二郎、森脇浩司、福良淳一監督がシーズン途中で休養や辞任をしたほか、今季も8月に西村徳文監督を事実上解任し、中嶋聡二軍監督にスイッチしたばかり。いずれも肩書は「代行」にとどめている。

「そこには、宮内オーナーの『次こそイチロー監督』の強い願いが込められていた。しかし、来季もイチローは現職のマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターに留まることが分かり、招請が難しいと判断、抜本的見直しに着手した」(同)

シーズン終盤のオリックスは〝舞洲バファローズ〟の異名を持つ。中嶋監督代行が二軍の本拠地のある舞洲スタジアム(大阪市此花区)から昇格させた2年目の太田椋、宜保翔内野手などの若手を中心に据え、桑田氏を迎え入れる環境を着々と整えているためだ。

最も優勝から遠ざかっているオリックス

また、オリックスは防御率と奪三振でリーグ1位の山本由伸を筆頭に、日本代表クラスの山岡泰輔、田嶋大樹らが揃い投手陣は充実。打率リーグ1位の吉田正尚、メジャー282本塁打のA・ジョーンズ、国内屈指の長距離砲であるT-岡田らが先発陣を援護できるようになって9月は勝ち越すなど、今の勢いはリーグ屈指だ。ここに桑田氏の野球理論が加われば、来季は優勝候補の一角に躍り出ることができる。

「桑田氏は昨年1月、PL学園野球部復活へ向けて同高野球部OB会長に就任しました。同高には立浪和義、宮本慎也、松井稼頭央、福留孝介氏らのOBがおり、PL勢力再興の旗頭である桑田氏への協力は惜しみません。彼らはそれぞれ中日、ヤクルト、西武、阪神の将来の幹部候補。各球団の監督選定の際には入閣の可能性がありますし、オリックスへの人材供給も可能。1996年を最後に12球団で最も優勝から遠ざかっているオリックスですが、桑田氏が入閣すれば一気に〝確変の可能性〟を秘めています」(在阪記者)

一方で、巨人の菅野智之が今オフにメジャーに転身する可能性もあり、日本球界のエースがオリックス山本に代替わりすることから、巨人がオリックス・桑田監督誕生を斡旋する裏には将来の〝FAの布石〟との見方もある。日本シリーズの球場決定には、両球団の思惑が入り交じるのだ。

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