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JRA重賞『函館記念』(GⅢ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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「うわっ、カッチーかよ!」と、先週の七夕賞をテレビ観戦していて、思わずそう呻いた。2着池添ヒートオンビート、3着武藤アンティシペイトは低配当とはいえ買っていた。

しかし、その2馬身半前に田中勝エヒトがいたとは…。

正直言って、出走していたっけ? という程度で、まるで無印の馬であった。鞍上の今年51歳のカッチーのことも、失礼ながら、すでに忘れかけていた。何せ今回が3年ぶりの重賞勝利だもの。

四半世紀以上前は、愛称〝カッチー〟で親しまれた若手のホープだった。贔屓の騎手の1人でもあった(過去形かよ)。1994年の安田記念でトーワダーリンに騎乗し、ノースフライトの2着に突っ込んで私に万馬券をもたらし、その後、牝馬同士でのワンツーを〝レズ馬券〟と俗称することを確信したっけ。あれから30年弱…光陰矢のごとし、ですなあ。

さて、今週の日曜重賞は、函館のみで選択肢ナシなので、話が早い。ナツコク、ナツフクならぬ〝ナツハコ〟でいってみよう。函館記念である。ただ一筋縄ではいかないレースではある。近7年で6年は二桁人気の馬が馬券にからんでおり、例外の1年(2019年)だって9番人気が2着している。1番人気は1勝のみ。それが、前出の田中勝の3年前の重賞勝ちとなったマイスタイルだったとは、因果は巡りますなあ。

普通に考えれば1、2、3番人気を形成しそうなデムーロのマイネルウィルトス、岩田康スカーフェイス、鮫島駿サンレイポケットが主力だろうが、そんなにスンナリ決まるとは思えない。ここは〝5頭ボックス作戦〟を急遽やめて、穴馬を3頭ほど選んで、相手4頭ぐらいの馬連で遊んででみたい。

穴馬一番手は横山武アラタ。このところ2000ばかり使っているのも好感が持てるし、函館は2戦2勝の〝庭〟と言える。続いて、ステップ的に相性が良い函館オープン巴賞を3着と好走した斎藤新サトノクロニクル。8歳という年齢がネックだが、12年には同じ8歳のイケトップガンが2着しているしね。あとは新潟大賞典10着からの変わり身を期待、さらに乗り替わりの鞍上も魅力の坂井スマイルも侮れない。

アラタと斎藤新で“Wアラタ”馬券を期待!

これらの人気薄(じゃなかったりして)から、前出の3頭に、〝鞍上強化〟となるだろう池添ギベオンも加えての各々馬連流しといこう。本来なら〝紅一点〟の武豊フェアリーポルカも取り上げたいところだが、あいにくこのレースは牝馬が劣勢で、今回はパスしてみた。1昨年の覇者ながら、このところ二桁着順続きで軽視されている吉田隼アドマイヤジャスタも〝忘れたころにやってくる?〟かもしれないが、そこまで手が回らない。

〝映画連想馬券〟は、そのものズバリの映画タイトル、スカーフェイスがあるが、アル・パチーノ主演の『スカーフェイス』(83年)は今年の大阪杯で取り上げたので、他にないかな、と探したらアラタから俳優名の井浦新を連想した。その井浦が、まだ〝ARATA〟名義で出演していたのが、吉高由里子が主演した『蛇にピアス』(08年)だ。吉高のフルヌードが拝める作品として〝お宝化〟しているが、井浦が現在のイメージとは想像もつかないほどの禍々しいスキンヘッドの刺青師を演じている。吉高をサディスティックに責め立てる〝カラミ〟も見せ場となった。

彼は、石田ゆり子と共演した16年のNHKドラマ『コントレール~罪と恋~』(こちらも名馬コントレイルを想起する)でも濃厚な濡れ場を演じており、「生まれ変わったら井浦新になりたい!」と思わせるほどの〝ベッド巧者〟であった(笑)。今回は、関東リーディングの横山武に乗り替わることだし、まさに〝期待新た〟なアラタである。そういえばサトノクロニクルの鞍上は斎藤新クン。この2頭で決まれば〝Wアラタ〟馬券となったりして。

さて最終的な買い目だが、馬連は⑨から⑤⑦⑧⑫⑬⑭、⑦から⑤⑧⑫⑬⑭、⑭から⑤⑧⑫⑬へ、15点でお茶を濁す。3連複は、⑨⑭縛りで⑤⑦⑧⑫⑬、⑦⑨縛り、⑦⑭縛りで⑤⑧⑫⑬へ、という変則で。正直言って、馬券的には混乱が見られるなあ(苦笑)。ウマくハマれば良いのだが…。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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