阪神甲子園球場 (C)週刊実話Web
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阪神タイガース“落合監督”招聘が本格化!岡田氏擁立派はヤキモキ…

阪神の「次期監督争い」が慌ただしさを増している。球界の人事は表に出たら潰れるのが一般的。


ところが、最有力候補といわれた岡田彰布氏が阪急阪神ホールディングス(HD)の角和夫会長兼グループCEO、吉田義男元監督と兵庫県西宮市のゴルフ場でラウンドし、非公式な就任要請の会話を交わしたことを一部メディアに明かして墓穴を掘った。トラの指揮官を巡る暗闘が続く!


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「水面下で話を進めればいいものを、あたかも次期監督は決定済みだと。藤川球児氏、鳥谷敬氏の入閣も含め、この構想は現時点で100%消えた」(タイガース有力OB)


それを物語るように、タイガースの親会社、阪急阪神HDの株主総会が終わるや、元中日監督の落合博満氏の「阪神監督招聘」が本格化してきた。落合氏が「コーチポスト」の約束手形を乱発し、岡田氏擁立派をヤキモキさせている。


「外部の大物監督を招聘する場合、チーム編成は意向に沿う形となる。すでに球団首脳が水面下で落合氏に接触し、現有勢力のどこを切って誰をコーチにするかを拝聴している。連れてきたいコーチとして、元広島監督の達川光男氏、元中日の抑えエース・岩瀬仁紀氏、阪神OBの新井貴浩氏らの名が挙がり、打診もしている。阪神色を残すため、球団は掛布雅之氏の入閣を求めたという情報がある」(在阪テレビ局の阪神担当)


今春のキャンプイン前日に矢野燿大監督が「今季限りで退任」と表明して以来、阪神は岡田氏の再登板を中心に〝ミスタータイガース〟掛布氏、平田勝男二軍監督、ロッテで二軍監督やヘッドコーチを歴任した今岡真訪氏、球団レジェンドの藤川氏や鳥谷氏らの担ぎだしを検討。それが一転して外部の落合氏が有力になったのは「優勝させてくれるのであれば2年契約で構わない」と、早期に藤川、鳥谷氏らにつなぎたい球団の狙いと合致したからだという。

必要なのは落合氏の非情な采配

暗黒時代が続いた1990年代後半、阪神は外部から野村克也氏、星野仙一氏の大物監督を招請し、チームを一変させた。野村監督が3年連続最下位を犠牲にして種をまき、後を受けた星野監督が2003年にリーグ優勝。同年、星野氏は健康問題を理由に勇退し、岡田氏が監督に就任。岡田監督は05年にリーグ優勝を果たしたものの、以前のダメ虎に。以降16年間、指揮官が変わるだけで優勝に手は届かなかった。

そこで原点回帰――。この6年間、阪神は金本知憲、矢野両監督がしっかり自前の若手選手を育て上げてきた。投手陣は青柳晃洋、西勇輝、岩崎優などリーグ最強。打線も3番の近本光司、4番の佐藤輝明、5番の大山悠輔と〝ドラフト1位〟たちが飛躍。当たり外れが大きい外国人選手に頼らなくとも勝てる戦力を整えた。


課題はただ1つ、采配…。昨季は開幕から首位を独走したが、終盤で失速。今季はリーグワーストの開幕9連敗でいきなりつまずいた。


その点、投手力を背景に、守りに徹した落合氏の非情な采配はブレがない。8年間の中日監督時代にリーグ優勝4回、日本一1回。今の阪神なら機能する。


「岡田氏を再登板させ戦力をいじり回されるより、落合氏の下で〝金本=矢野野球〟を完結させようと。阪急阪神HDが方向性を決めたことで、入れ込み過多の岡田氏はゲート除外となった」(スポーツ紙記者)


その「落合阪神」の目玉とされるのが、広島カープ出身で監督も務め、ダイエー、阪神、中日、ソフトバンクでコーチを歴任した達川氏だ。今季の阪神は広島に1勝10敗2分。広島戦さえ五分なら借金もないし、2位の巨人を上回っていたはずだった。


その難敵をよく知るのが、現在は広島を拠点にカープ戦を中心に解説者を務める達川氏なのだ。落合氏はヘッドを打診し、快諾を得ているという。

掛布助監督&達川ヘッド案

「達川氏が中日でバッテリーコーチを務めた際、引き抜いたのが新設のGMに就いた落合氏。達川氏は03年、星野監督に請われて阪神コーチに転身したが、その際の正捕手が現在の矢野監督で、3者はそんな関係にある。その矢野監督は今季で退任するが、いま最も腐心しているのが支えてくれたコーチ陣の身の振り方。岡田体制となれば総退陣は必至だが、疎通が図れる落合-達川体制への移行なら残留を頼みやすい」(同・記者)

本来なら落合阪神のヘッドコーチには、中日でコンビを組んだ森繁和氏がベストだが、これだと落合色が際立ち、在阪メディアの反発を招くのは必至。そこで球団サイドが「ミスタータイガース・掛布助監督、達川ヘッド」を提案。落合氏は「他は任せてくれるのであればそれでいい」と応諾しているという。


今年4月、自身のYouTubeチャンネル『落合博満のオレ流チャンネル』で「現場復帰を考えている」と宣言した落合氏は、阪神監督を見据え早々にカープ、阪神OBの新井氏に打撃コーチを要請。中日監督時代の教え子の岩瀬氏のほか、川崎憲次郎氏と吉見一起氏には投手コーチを打診しているという。


この手の情報は、すぐに広まるもの。慌てたのが、岡田氏。早稲田大学の先輩にあたる角CEOとゴルフ飲食を行い、それをメディアに明かすことで「来季監督は岡田が親会社の意向」を発信したが、擁壁とはならなかった。


落合氏に流れを作られ、後手に回った岡田氏が窮地に…。どのように巻き返すのか、全国のタイガースファンが注目している。