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驚愕! コロナウイルスによるパンデミックを予言していた「小説」「映画」

Iurii Stepanov / Shutterstock

2020年、世界中を襲った新型コロナウイルス。過去に出版された小説や公開された映画の中には、この暗澹を〝予言〟していたとしか思えないものも存在する。

小説『闇の眼』は、ディーン・R・クーンツが1981年に発表したもの。日本でも1990年に翻訳版が出版された。まさに今回のパンデミックの発祥地である中国・武漢から持ち出された殺人ウイルスが登場することで一躍注目され、復刊を果たしている。

興味深い点は、90年の出版当時、ウイルスはソ連から持ち出されたことになっていたのだが、96年になってから著者が自ら修正をかけ、武漢に変更されている点だ。なぜこのような修正をしたかは不明だが、ピンポイントで新型コロナウイルスが発祥したとされる武漢が登場している点が実に興味深い。

小説『緑猴劫』は、1979年に台湾で出版された『海天龍戦』というタイトルのSF短編集が、今から32年前に内容が同じままタイトルだけ『緑猴劫』に変更になったもの。この作品の中で、致死率90%を誇る病原体を使用した生物兵器が登場する。

ウイルス生物兵器を使われた国では、治療薬を開発している間に国民のほとんどが死んでしまうものの、事前にワクチンを作っておけば自国だけは生き残ることができる、と考えた某国の研究チームだが、あるミスによって、ウイルスが制御不能になってしまうという内容。新型コロナが人工ウイルスを疑われている状況で、非常に興味深い設定である。なお、このSF短編集には、本作を含めて数々の未来における戦争の方法が描かれている。

体験してから作ったのかと思えるほど…

小説『首都感染』は、2010年に小説家の高嶋哲夫が発表したもの。今回のパンデミックを予見しているような内容になっていて、注目を集めている。

ウイルスこそ新型インフルエンザであるが、発生した地域が中国であることや、中国から日本にウイルスの流入阻止を試みることや、都内で感染者が発見され、東京封鎖に発展するなど、舞台が日本であるだけに、リアリティーが高く、各書店で売り切れが相次いだ。

映画『コンディション』は、2011年に公開されたスティーブン・ソダーバーグ監督によるパニック作品。この映画の恐ろしいところは、今回の新型ウイルス感染拡大の騒動を体験してから作ったのかと思えるほどに、克明かつリアルな描写になっている点だ。

マット・デイモン主演で、ウイルスの存在を疑うジャーナリストがジュード・ロウ、他にもグウィネス・パルトロウやケイト・ウインスレットなど名優たちが脇を固める本作は、公開当時も大作映画として注目を集めていたが、今回のパンデミックを受けて、再視聴する人が世界規模で増えた。

この作品でもウイルス発生の起点が中国であるところが注目ポイントであり、感染が広がると、東京を含めた世界各地で同時に発症する人が増え、一気に世界的な広がりを見せるという展開。「触れただけで感染する」という恐ろしいウイルスだが、今となっては、いつ現実世界で起こってもおかしくないと思わせる…。

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