(画像)plavi011 / Shutterstock.com
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プーチンと習近平が怯える“69歳の呪い”独裁者を待つ悲惨な末路とは!?

ウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領をめぐっては、健康不安説やクーデター、周囲の人物の不審死など不穏な情報が相次いでいる。


一方、世界各地で傍若無人な拡大路線を続けている中国の習近平国家主席も、その立場は実のところ盤石ではない。


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プーチン氏、習氏は共に独裁的な権力を持つ指導者で、くしくも2人は現在69歳だが、過去、多くの独裁者にとって69歳という年齢が〝鬼門〟となっている。


カンボジアのポル・ポト元首相は、1970年代に住民の強制移住や強制労働、拷問、大量虐殺を繰り返し、人口の約3割に相当する約170万人が犠牲になった。98年に69歳で死去したが、毒殺の疑いがもたれている。


イラクのサダム・フセイン元大統領は、79年から20年以上にわたり権力を握ったが、2003年のイラク戦争で米国の侵攻を受けて拘束され、06年に戦犯として69歳で処刑された。


リビアのカダフィ大佐は、40年以上にわたり独裁政権を維持したが、民主化運動「アラブの春」で政権が崩壊し、11年に69歳で反対勢力に殺害された。


もちろん、69歳という年齢そのものに意味があるわけではなく、長期独裁政権はいずれ問題が露呈するということを意味する。


ロシア軍はウクライナのショッピングモールを対艦ミサイルで攻撃するなど、民間人を含む多くの死傷者を出して「戦争犯罪」を重ねている。国内では国債が債務不履行(デフォルト)となり、経済も不透明感を増している。


こうした中、プーチン氏をめぐる血なまぐさい事件が発生した。核兵器のボタンが入った「チェゲト」と呼ばれるカバンを持って、大統領に随行する責任者を20年以上にわたって務めていた「大佐」が、拳銃で自殺未遂を図ったのだ。

拭えないプーチン健康不安説

現地メディアによると6月20日、元ロシア連邦警護庁(FSO)の大佐だったバディム・ジミン氏が、モスクワ市の自宅で血の海の中に倒れているのが発見された。ジミン氏は病院に搬送されたが、昏睡状態で予断を許さない状態だという。同氏はFSOを退いた後、贈収賄疑惑をかけられ自宅軟禁の状態だった。当局は自殺を図ったとするが不審な点も多い。

FSO所属のシークレットサービスは、大統領を囲んで厳重にガードする。プーチン氏の健康状態が、国外の諜報機関や国内の政敵に知られないことも最優先課題だ。プーチン氏が外遊先でトイレに入った際は、排泄物をすべて回収すると欧米メディアに報じられたほどである。


ジミン氏はFSOで、エリツィン政権からプーチン政権に至るまで「チェゲト」を運ぶ責任者を務めていた。


「プーチン氏を徹底ガードし、外部に情報を漏らさないということは、逆に言うとプーチン氏のすべてを知っていることを意味する。核カバンの責任者ということは、なおさら信頼されていたはずだ。となれば、これは自殺自体が仕組まれたものかもしれない。ジミン氏が『反戦派』と手を組もうとするなど、中枢の権力闘争に巻き込まれた可能性もあるのではないか」(軍事ジャーナリスト)


プーチン氏の健康不安説も消えない。英国秘密情報部(MI6)の元諜報員が、英BBCラジオで爆弾発言を行った。


「プーチン氏の体調はここ数カ月で悪化している。血液か甲状腺のがん、初期のパーキンソン病を患っており、数カ月しか生きられないかもしれない」


さらに、この元諜報員は「プーチン氏が3〜6カ月以上、権力の座にとどまっているとは思わない」と、クーデターの可能性を示唆。英キングス・カレッジ・ロンドンのロッド・ソーントン博士も、英紙のインタビューで「ロシア連邦保安局(FSB)は、プーチンを排除する必要があると考えている」と指摘した。

果たして2人は逃げ切れるか

一方、プーチン氏を擁護する習氏は、毛沢東、鄧小平に次ぐ権威と自身を位置づけ、2期10年までだった国家主席の任期を撤廃。しかし、5月以降、中国のSNS上では「習近平退陣」という情報が流れている。

習政権は領土的野心をあらわにし、沖縄県の尖閣諸島周辺の海域にたびたび侵入、南シナ海でも各国と衝突を続けている。ウイグルや香港、台湾などの人権問題でも、西側諸国が不信感を強めた。巨大経済圏「一帯一路」も、インフラ投資を行った新興国が借金漬けになるなど評判が悪い。


さらに、コロナ対策での失敗も響いた。「ゼロ・コロナ」政策に固執し、上海市などのロックダウン(都市封鎖)を行った結果、経済は大きな打撃を受けた。ロイター通信は「1948年の建国以来最悪の失業危機」と報じ、習氏が2月に北京冬季オリンピック開催を誇ったのが、はるか昔のようだ。


「習氏は〝反腐敗〟を掲げ、多くの政敵を葬り去って敵なしに見えるが、党内には不満が蓄積している。コロナ対策と距離を置いてきた経済重視の李克強首相が、ここに来て不気味に存在感を増している」(外交関係筋)


さて、それぞれに内憂外患を抱えるプーチン氏と習氏は、独裁者を襲う「69歳の呪い」を乗り越えることができるのか。


プーチン氏は憲法改正で2036年、83歳まで大統領の座にとどまることが可能だ。習氏も秋の中国共産党大会で、異例の「3期目突入」を決めようとしている。政治をゆがめた2人に、大きなツケが回ってくる日も遠くなさそうだ。